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鈴木優人

 「音楽の友」の取材で、鈴木優人のインタヴューを行った。
 彼には何度か取材を続けているが、いつも幅広い話題があり、にこやかに対応してくれる。
 今回は音楽家の自画像というようなテーマで、いま鈴木優人が挑戦していること、今後の課題、音楽祭での現状などを中心に話を伺った。
 ただし、話題はどんどんふくらんで多岐に亙り、人生論のような様相を呈し、それがとても興味深かった。
 優人さんは昔から苦手とすることがいくつかあり、それを克服していく過程がおもしろかった。
 人間関係に関しても、大いに参考になることばやそれに対する姿勢を伺うことができ、「なるほどねえ」と思うことが多く、編集者のKさんと、「この面をクローズアップしよう」ということになった。
 今日の写真は、音楽之友社の会議室の外にある花壇の一角で。パッとすわって「こんなのどお?」とポーズをとってくれ、ふだんはみんなが立っているのに、これは珍しいポーズだ。

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posted by 伊熊よし子 at 23:37 | クラシックを愛す

ジュピター・カルテット・ジャパン

 2011年にBS朝日で放送、数々の賞に輝いたドキュメンタリー番組「カルテットという名の青春」。当時、音大生だった植村太郎(ヴァイオリン)、佐橘マドカ(ヴァイオリン)、原麻理子(ヴィオラ)、宮田大(チェロ)の4人を1371日の年月をかけて密着撮影したこの番組が、いま東京シネマスイッチ銀座で上映されている。
 以前もブログに綴ったが、今年のお正月にこのドキュメンタリーを観て、すぐにその紹介を「intoxicate」に綴った。そして15年が経過したいま、4人が「東京・春・音楽祭2026」(東京文化会館小ホール)で再会コンサートを開いた。
 それぞれ異なった形で音楽を磨き上げている4人は、ベートーヴェンの弦楽四重奏曲第12番で持てる力を存分に発揮。ともに青春を過ごし、苦悩し、自らの道を見つけ、いまやそれを邁進している4人は、自信にあふれ、久しぶりに一緒に演奏できる歓びを会場いっぱいに響かせた。
 後半はヴィオラの今井信子を迎え、ブラームスの弦楽五重奏曲第2番を演奏。互いの音に耳を傾け、さらに自身の音楽性を力強く発信し、引き締まった美しいアンサンブルを披露した。
 なお、それぞれ道を歩む彼らの現在を追いかけたドキュメンタリーの続編が撮影され、今年中に放送予定があるとのこと。それも楽しみである。
posted by 伊熊よし子 at 21:44 | クラシックを愛す

ヤクブ・ユゼフ・オルリンスキ

 4月10日、先日インタビューしたポーランド出身のカウンター・テナー、ヤクブ・ユゼフ・オルリンスキのリサイタルが東京芸術劇場で行われた。
 プログラムはヘンデル、バイルト、パーセル、カルウォヴィチで構成され、ポーランドの作曲家、タデウシュ・バイルトとミェチスワフ・カルウォヴィチの作品がうたわれたのが印象的だった。
 オルリンスキはインタビューでもとても親密的でチャーミングで、人なつこい笑顔が忘れられないが、ステージでも一瞬にして聴衆を魅了してしまうほどのオーラを発していた。
 歌声は、冒頭から声量がすばらしく、その声はホールの隅々まで届く見事なまでの強靭さに支えられている。
カウンターテナーの繊細さと情感の豊かさと表現力の幅広さはもちろんのこと、いずれの作品も聴き手のひとりひとりに語りかけるような歌唱法である。
 時折、紙を見ながら日本語で語りかけ、一気に客席との距離を縮めていく。
 先日のインタビューでは非常にラフな装いだったが、ステージでは白のシャツに黒のスーツ、そして赤の靴下がのぞく。この靴下のことをみんなが話題にしていた。
 録音で聴いていたときもバロック時代の空気に包まれる感覚を抱いたが、ナマの声はやはり別格だ。とりわけヘンデルとパーセルは、作品が生まれた時代へと心が飛翔し、ぜひバロック・オペラを聴いてみたいという気持ちになった。
 アンコールは下記の写真の4曲。合間に、一瞬ブレイキン(ブレイクダンス)を披露し、宙返りをしてやんやの喝采を浴びた。彼の得意技である。「キャーッ、もっとやってえ」と心のなかで叫んでしまった(笑)。
 オランダやスイスのオペラハウスでバロック・オペラをうたうときに、演出家がオルリンスキのためにブレイキンを盛り込んでいると語っていたが、すばらしいだろうなあ。こんなオペラ歌手、いないよね。
 また、すぐにでも来日してほしい。そして特筆すべきは盟友のピアニスト、ミハウ・ビエルの圧巻のピアニズム。カウンター・テナーに魅せられて一緒に組み始めたといっていたが、声と一体化し、まさにふたりの音が「ひとつの声」のように感じられた。インタビューのときの名コンビぶりもよかったが、ステージでの音の対話は、いつまでも心の奥に感動が宿る。今年前半の、一押しのコンサートとなった。

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posted by 伊熊よし子 at 23:16 | クラシックを愛す
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