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キャサリン・ジェンキンス

 アーティストの記憶力のよさに、驚くことがある。
 先日、15年ぶりに会ったキャサリン・ジェンキンスも、インタビュールームに入っていくと、「あらあ、あなた。覚えているわよ。久しぶりねえ」といってにこやかな笑顔を見せた。
 本当に驚くばかり。世界中で、ものすごい数のインタビューを受けているだろうに…。
 でも、久しぶりの再会は、彼女の口をなめらかにしたようだ。
 キャサリン・ジェンキンスは南ウェールズ出身のメッゾ・ソプラノ。クラシックから讃美歌、ミュージカルナンバー、トラディショナル・ソングまで、多種多様な曲をレパートリーとし、イギリスでは「過去25年においてもっとも多くの売り上げを記録したクラシック・アーティスト」といわれる。
 以前のインタビューでは、ウェールズの伝統、慣習、生活、自身のアイデンティティをもっとも大切に考え、どんなにワールドワイドなツアーを行っても、自分の居場所はウェールズだといっていた。
 その考えは現在も変わらず、結婚して子どもが生まれてから大きく人生が変化したにもかかわらず、地に足の着いた生活をしたいと語っていた。
 新譜は故郷や家族を思い、美しくうたい上げた祈りの音楽で彩られた「光に導かれて〜ガイディング・ライト」(ユニバーサル)。癒しと活力を与えてくれる歌声である。
 各々の曲に対する思いや、録音時の様子、選曲の理由などを明るい声で生き生きと語り、以前と変わらぬ音楽に対する真摯な気持ちを示した。
 このインタビューは、新潮社の「エンジン」に書く予定になっている。
 日本が大好きだそうで、これからも頻繁に訪れたいと語っていた。
 今日の写真は、インタビュー後のワンショット。それにしても、15年前とまったく変わらぬ若々しさと華やかさ。あやかりたいものだワ(笑)。

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posted by 伊熊よし子 at 23:05 | 日々つづれ織り

そもそも会

 昨日、クラシック界で仕事をする若き音楽関係者のための「そもそも会」の第1回が開催され、ゲストスピーカーに招かれた。第1回のテーマは「インタビュー」である。
 発起人は編集者&ライターの原典子さん、音楽ライター&大学講師の小室敬幸さん、コンサートホール広報担当の漆畑奈月さん。
 まず、「そもそも会」って何?というところから始まり、3人と私の紹介に移り、第1部は「現場編」と題し、インタビューにおけるさまざまな内容、問題点、実際の経験などが討議された。
 休憩をはさんで、第2部は「仕込み&まとめ編」。ここでは私が実際に経験したインタビューのあれこれをお話し、3人の実践やそれに対する会場との意見交換などもなされた。
 発起人の3人はSNSなどを通じて集客してくれたのだが、本当に多くの人が集まってくれ、若い関係者のみならず経験豊富な中堅やベテランの方たちも参加し、第1回は盛況を極める形となった。
 今後は2カ月に一度くらいのペースで開催できれば、と発起人は熱く語っていた。
 クラシック界で長年仕事をしている私も、ふだんお会いしたことがない人たちにたくさん会うことができ、会が終了してからもみなさん熱心に意見交換をし、私も多くの人と名刺交換をしながら話し合うことができた。
 3人の方たちと、参加してくれたみなさんに感謝の念を捧げたいと思う。みなさん、ありがとうございました。
 今日の写真は「そもそも会」の様子。多くの人がメモを取り、熱心に話に耳を傾けてくれた。

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posted by 伊熊よし子 at 11:09 | 日々つづれ織り

ルシエンヌ

 トランペット界に輝かしい新星が登場した。1999年生まれのフランス人、ルシエンヌである。
 2014年にパリ国立高等音楽院に入学したが、クラシック部門とジャズ部門に同時入学を許された初の生徒となった。
 ルシエンヌはパリのクレドール・コンクール、モーリス・アンドレ青年コンクールの両方で優勝をげ、17年ワーナー・クラシックスと契約。「ザ・ヴォイス・オヴ・ザ・トランペット」と題するアルバムでCDデビューを果たしている(輸入盤)。
 そんな彼女が7月13日にリサイタルを行い(武蔵野市民文化会館 小ホール)、7月17日から28日まではパトリック・ハーン指揮オーケストラ・アンサンブル金沢、ピアノの辻井伸行との共演で全国ツアーを慣行する。プログラムは、辻井との共演でショスタコーヴィチのピアノ協奏曲第1番、さらにハイドンのトランペット協奏曲が組まれている。
 ルシエンヌはキュートな笑顔の持ち主で、インタビューでは一生懸命トランペットの魅力について語り、作品論や辻井伸行との共演への期待、さらに子ども時代からの楽器とのつきあい、新譜のことまでことばを尽くして話してくれた。このインタビューは、いま出ている「ぶらあぼ」の4月号に掲載されている。
 なんでも、ステージではいつも裸足で演奏するそうで、「その方が倍音を感じやすいんです」という。記事にも綴ったが、ルシエンヌはアメリカのトランペット奏者でヴォーカリストのチェット・ベイカーを尊敬しているそうで、彼女の音色もうたうような響き。やわらかく、弱音を重視し、けっして声高に叫ぶような音楽ではない。
 7月の日本ツアーが楽しみである。
 今日の写真は、インタビュー後の1枚。この楽器は、コンクールの賞品としてプレゼントされたものだそうだ。

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posted by 伊熊よし子 at 22:29 | アーティスト・クローズアップ
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