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セイボリー

  ようやく京都ににぎわいが戻ってきた。
  一時期は駅もお店も通りも静けさに包まれていたが、この連休中はどこに行っても人が多く、活気に満ちている。
  もちろん、お店の入口には必ず手の消毒剤が置かれ、みんなマスクを着用している。
  しばらく外食は控えていたが、コロナ対策としてさまざまな工夫が凝らされている、私の大好きな烏丸御池の八百一本館の3階にあるレストラン、セイボリーにランチに出かけた。
  ここはレストランの前が自主農園となっていて、野菜やハーブが育てられている。その緑豊かな光景を目にし、ソーシャルディスタンスを守りながら、ゆっくり食事をすることができる。
  このレストランの特徴は、多種多様な野菜が用いられていること。シェフの腕の見せ所は味のよさはもちろんだが、色彩の豊かさと盛り付けのすばらしさにもあり、目と舌で楽しませてくれる。
  今日のランチは、印象派の絵画のような美しいコース料理で、ひと皿ごとにうなってしまった。いやあ、すばらしい芸術のよう。食べるのがもったいないくらい、創意工夫がなされ、まねしようにもできない、まさにプロの技である。
  その一部を写真で紹介したい。
  まず、「すだちゼリーのパフェサラダ」。グラスに盛られた色とりどりの具材はひとつずつ異なる味わいで、見た目はデザートのようだが、食べ応えのある美しい前菜である。

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  私が印象派の絵画を連想したのは、「茄子と栗豚・イチジクのロースト、赤キャベツとカボスのソース」。あまりにもアーティストティックで、ひとつひとつの素材にシェフの心意気が感じられ、「まいりました」と頭を垂れてしまった(笑)。

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  もっとも衝撃だったのは、「黄桃と戻りカツオのタルタルサラダ、みょうがとカボス風味」。まず真っ白な泡に包まれたなんとも不思議なひと皿が登場し、それを崩していくと、みょうがやたくさんの野菜をまとったカツオが現れる。「ヒエーッ、なんだこりゃあ」と、フォークが止まってしまった。

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  スープもデザートもパンも凝りに凝っていて、しかもお値段はリーズナブル。
  京都が大好きな友人に、ぜひ教えてあげたい、とっておきのお店である。
  
posted by 伊熊よし子 at 22:31 | ゆったりまったり京都ぐらし

務川慧悟

  9月7日に行われた「ロン・ティボー・クレスパン国際音楽コンクール  ガラ・コンサート」に関しては、このブログでも紹介したが、9月11日には浜離宮朝日ホールで務川慧悟のピアノ・リサイタルが行われた。
   ガラ・コンサートで聴いたサン=サーンスのピアノ協奏曲第5番「エジプト風」の演奏がすばらしい印象となって脳裏に焼き付いていたため、リサイタルはとても楽しみだった。
  これは4月に開催される予定だったが、コロナ禍の影響で延期となり、ようやく実現の運びとなったもの。もともとの1時間半のプログラムを70分に絞り、休憩なしで一気に6曲演奏するという凝縮したプログラム構成だった。
  ベートーヴェンのピアノ・ソナタ第30番、デュサパンの「ピアノのための7つの練習曲」より第5番、シューマンの「子供のためのアルバム」より第30番、ショパンの「バラード第1番」、ショスタコーヴィチの「24の前奏曲とフーガ」より第15番、ラフマニノフの「コレルリの主題による変奏曲」という構成で、コンチェルトを聴いたときと同様の「勢い」を感じさせた。
  この公演評は「spice」に書くことになっている。
  彼の演奏は、聴き手に活力と希望を与えるもの。こういう若きピアニストが出現したことに、大きな喜びを抱く。
  まだインタビューの機会はないが、会って話をすることができたら、いろんなことを聞きたいと思う。
  今日の写真は、当日のプログラムの表紙。また次回の演奏が楽しみだ。

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posted by 伊熊よし子 at 21:36 | 情報・特急便

オヤマダアツシさん

  音楽ライターとして活躍したオヤマダアツシさんが、9月3日に亡くなった。
  いつも柔らかな笑顔を見せ、おだやかな物腰で、けっして激することがなかった。
  私はすぐに感情が顔に現れてしまうため、そんな平常心を保っているオヤマダさんがうらやましかった。
  数年前、長野市芸術館で半年に渡り、月に1度のペースで講演を行ったとき、次の講師がオヤマダさんだった。
  すると、彼は「伊熊さんの講義を聞いておきたくて…」といって、最終回にわざわざ長野まで足を運んでくれた。
  「そもそも会」というトークを中心とした会の第1回のゲストに呼ばれたときも、一番うしろの席にすわり、私のトークがすべて終わって質疑応答に移ったときに、質問をしてくれた。
  いつも彼に会うと、「伊熊さん、いまどんな物を書いているの?」とか「何か新しい計画を考えている?」などと聞いてくれ、私も同様のことを尋ね、いろんな話をした。
  イギリス音楽を中心にさまざまな音楽に造詣が深く、いろんなことを教えていただいた。それもごく自然にやんわりと、知識をひけらかすことなく、楽しそうに…。
  オヤマダさんは、早寝早起きがモットーだった。完全に夜型の私とはまったく異なり、「どうしたら朝からシャキッと仕事が始められるの?」と聞くと、「まあ、人それぞれだから」と笑ってはぐらかされた。
  本当におだやかで心が広く、優しい人だった。
  謹んでご冥福をお祈りいたします。
posted by 伊熊よし子 at 21:29 | 日々つづれ織り
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