ブログ

仲道郁代

 仲道郁代が演奏活動30年を迎え、さらに未来を見据えて、向こう10年間で2つのシリーズを行うことを発表した。
 今日は、その記者発表と懇親会があり、シリーズの内容と彼女の意気込みが語られた。
 2018年から2027年までの10年間、毎春サントリーホールで「ベートーヴェンが確立した巨大な世界へ」と、毎秋東京文化会館小ホールで「ピアノの音が醸成する深い味わいの世界へ」と題したコンサートを実践していく。
 昨年、インタビューしたときにもこの両コンサートの話は少し聞いたが、10年計画とはすごいことを考えたものである。
 彼女はこの大きなプロジェクトに関し、「我を忘れるような美しく特別な空間にいることを感謝し、その気持ちを演奏に託し、それを聴衆と共有したい」と熱く語った。
 さらに、「ステージに住みたいほどピアノが好きで、無条件にピアノの音が好きなので、この生活をずっと続けている。ベートーヴェンは生きることの哲学を問う作曲家だから、その意味合いをより探求したい」と強調した。
 サントリーホールの方のプログラムは、ベートーヴェンを主軸とし、モーツァルト、ブラームス、ショパン、シューマン、シューベルトなどが選曲され、東京文化会館小ホールの方は、ドビュッシー、ラフマニノフ、ラヴェル、バッハ、スクリャービン他が組まれている。
 なお、3月16日には「仲道郁代ピアノ・フェスティヴァル」と題したコンサートが東京芸術劇場で開かれ、上原彩子、小川典子、金子三勇士、清水和音、萩原痲未が加わって、「2台ピアノの祭典」と「5台ピアノの響演」の演奏が行われる予定だ。
 思えば、仲道郁代にはデビュー前の学生時代からコンクールなどの取材を続けてきた。私も今年は独立30周年の節目の年である。彼女の前向きな姿勢に触発され、何かしなくちゃ、という気持ちが強くなった。
 今日の写真は、記者発表で話す仲道郁代。

y2058_R.JPG
 
posted by 伊熊よし子 at 22:07 | 情報・特急便

大井健

 アーティストにインタビューをしていると、途中から話題がちょっと横道に逸れ、その人の趣味や好きな音楽家の話になったりすることがある。
 今日もピアニストの大井健と話をしていて、「いま一番ナマを聴きたいのはグリゴーリ・ソコロフ」ということで彼と私の意見が一致、しばしソコロフ談義となってしまった。
 大井健は幼少時からヨーロッパで過ごし、その後日本で教育を受け、卒業後はオペラユニット「レジェンド」の専属ピアニストを10年間務める。2015年、アルバム「Piano Love」(キングレコード)をリリースしてソロ・メジャーデビュー。以来、ピアニスト&作曲家として活躍、2013年には中村匡宏と組んでピアノデュオ「鍵盤男子」を結成した。
 現在は、テレビやCMにも登場、ふだんクラシックをあまり聴かない人まで引き付けている。
 その大井健が「Piano Love The Movie」と題するコンサート&ドキュメンタリーをリリースすることになった(2月14日 キングレコード)。同日プレミアム・コンサートも開催される(HAKUJU HALL)。
 今日はその話を中心に聞いたのだが、会った途端に「ぼく、伊熊さんのブログをいつも拝見しています」といわれ、なんだか初めて会った気がせず、話はいろんな方面へと広がっていったという次第だ。
 このインタビューは、「CDジャーナル」(WEB)に書く予定になっている。
 今日の写真は、インタビュー後のワンショット。

y2057_R.JPG
posted by 伊熊よし子 at 22:38 | 情報・特急便

フランツ・ウェルザー=メスト

 今日は、東京藝術大学音楽学部特別講座「ベートーヴェン・シンポジウム」が藝大で開かれ、学生と一緒に講座に参加した。
 これは「プロメテウスの音楽:ベートーヴェン2020に向けて」と題された講座で、パネリストはフランツ・ウェルザー=メスト(指揮者)、マーク・エヴァン・ボンズ(音楽学者)、近藤譲(作曲家、音楽批評家)。通訳は福中冬子(楽理科教授)、司会は土田英三郎(楽理科教授)。
 18時30分開始で、21時までの2時間半、パネリストそれぞれのベートーヴェン観、3人の鼎談、そして会場からの質問コーナーと続き、意義深い話が数多く登場した。
 このシンポジウムは、ウェルザー=メスト指揮クリーヴランド管弦楽団が同オーケストラ創立100周年を記念し、2018年6月2日から7日まで「プロメテウス・プロジェクト」と題するベートーヴェンの交響曲全曲演奏会(サントリーホール)に先駆けて行われたもの。
 6月2日の初日は「プロメテウスの創造物」作品43序曲からスタートするため、その作品に関して、ベートーヴェンの作品が内包する哲学について、作品が生まれた時代性、他の芸術・文化との関連性、ベートーヴェンの作品の変容と普遍性などについて活発な討論がなされた。
 ウェルザー=メストは2002年よりクリーヴランド管弦楽団の音楽監督を務めている。15年の絆の深さをこのチクルスで披露し、自身のベートーヴェンへの深い敬愛の念を示すとともに、現代のわれわれに対してベートーヴェンの作品が何を表現すべきなのかを探求する演奏を行いたいという。
 今日の写真は、「プロメテウス・プロジェクト」のチラシ。交響曲9曲に加え、序曲4曲、「弦楽オーケストラのための大フーガ」もプログラムに含まれる予定である。

Y2005_R.JPG
 

 
posted by 伊熊よし子 at 23:51 | 情報・特急便
CATEGORIES
ARCHIVES
LINKS
PROFILE
検索ボックス