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ダン・タイ・ソンを10倍楽しむ音楽講座

  10月5日、大分県竹田市のグランツたけた 廉太郎ホールで、ダン・タイ・ソンのリサイタルが行われた。
  そのリサイタル前のプレセミナー「ダン・タイ・ソンを10倍楽しむ音楽講座」を行うべく、前日の夕方竹田に入り、スタッフと打ち合わせを行った。
   5月のミッシャ・マイスキーのプレセミナーのとき以来だが、スタッフのみなさんはとても温かく迎えてくださり、打ち合わせもスムーズに進んだ。
  翌日も午前中に講演で使用する映像とCDの確認作業を行い、12時30分から13時20分まで、50分間の講演を行った。
  前回のときは、そのときのブログにも綴ったが雨模様で、「20名来てくれればいいかな」などとみんなで話していたのが、100名を超え、いすを並べるのが間に合わないほど。最後は立ち見のお客さまも増えてしまった。
  今回は、スタッフが「今回は多めにいすを用意しました」といい、万全の準備をしてくれた。
  当日は11時30分からマルシェがオープンし、ダン・タイ・ソンに因んでヴェトナムの生春巻きやバインミー(サンドイッチ)などが用意され、多くの人がヴェトナムの味を楽しんでくれた。
  実は、私が書いた「クラシックはおいしい アーティスト・レシピ」(芸術新聞社)の単行本のなかにダン・タイ・ソンが登場し、「おつまみならお任せ、揚げ春巻き・ニョクマムたれ添え」が掲載されている。
  この日は、ホール側が事前にベジ・カフェ ミズというお店に依頼し。私のレシピで揚げ春巻きを作ったものが売られていた。これにはびっくり。それが見る見るうちになくなり、他の商品はまだ残っているのに、揚げ春巻きだけあっというまに売り切れてしまった。
  私もいろいろいただいたが、すべてとてもおいしく、ダン・タイ・ソンもゆっくり味見をしたようだ。
  さて、プレセミナーが始まった。今回は以前よりも多くの人が聞きにきてくれ、130人を超える超満員。しかも全員が横を向いたり下を見たりすることなく、もちろん寝ている人もまったくなく、私の方をじっと見て耳を傾けてくれる。
  みなさんとても熱心で集中力があり、ひとつのことばも聞き逃すまいと、うなずきながら聞いている。
  本当にグランツたけたのお客さまは雰囲気が温かく、親密的で、好奇心が豊かである。
  そしていよいよリサイタル。ダン・タイ・ソンはいま巨匠の道を邁進しているが、まさに熟成した、自信がみなぎる演奏だった。このホールは音響がすばらしく、特に3階の響きが秀逸。ピアノの音がふんわりと弧を描いたように伝わり、やわらかな音色に癒される。
  今日の写真は、私のレシピで作りましたと表記されている揚げ春巻き。おいしくいただいた生春巻きと揚げ春巻き。そして演奏が終わってほっとした表情のダン・タイ・ソン。

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posted by 伊熊よし子 at 17:19 | マイ・フェイバリット・ピアニスト

ルドルフ・ブッフビンダー

 今日は、東京オペラシティコンサートホールに、ルドルフ・ブッフビンダーのリサイタルを聴きに行った。
  プログラムは、オール・ベートーヴェン。前半がピアノ・ソナタ第8番「悲愴」、ピアノ・ソナタ第21番「ワルトシュタイン」、後半がピアノ・ソナタ第23番「熱情」という選曲である。
  ベートーヴェン・プロゆえか、今夜の聴衆は男性がかなり多く、終演後のCDサイン会の列も、男性の姿が目立った。
  実は、このリサイタルのチラシ裏の原稿を書き、プログラムの原稿も書き、さらに読売日本交響楽団とのコンチェルトの日に配るチラシの原稿も書くことになった。
  それゆえ、演奏を聴く前から、すでにベートーヴェンのソナタのなかにどっぷりと浸っている感じがした。
  演奏は、常に感じることだが、地に足が着いた安定したピアニズムで、「こういうベートーヴェンが聴きたかった」と、心から思わせてくれるもの。
  いずれのフレーズ、リズム、テンポ、休符にいたるまでこまやかな神経が行き届いているものの、曲全体を俯瞰する大きな目が備わっている。
  私は原稿にも書いたが、ブッフビンダーのえもいわれぬ美しい弱音に魅せられている。ただし、今回は楽器を大きく豊かにうたわせる強音の圧倒的な迫力にも新たな美を見出した。
  アンコールは、ベートーヴェンのピアノ・ソナタ第17番「テンペスト」より第3楽章と、J.S.バッハの「パルティータ第1番」BWV825より「ジーグ」。
  この公演評は、次号の「モーストリー・クラシック」に書く予定にしている。
  

  
posted by 伊熊よし子 at 22:40 | マイ・フェイバリット・ピアニスト

ホアキン・アチュカロ インタビュー

  今日は、ホアキン・アチュカロに待望のインタビューを行った。
  実は、今年の1月にリサイタルがあった際、インタビューを申し込んであったのだが、時間的に無理とのことで、マネージャーから「今秋の来日時にはできると思います」といわれていたのである。
  インタビューに現れたアチュカロは、「いま、ホテルのプールで泳いできたんですよ」と、元気いっぱい。
  話もとても興味深く、ひとつひとつの質問にことばを尽くして雄弁に語ってくれる。
  スペイン音楽のリズムとショパンのリズムなどの話題になると、指を鳴らし、手を叩きながらリズムを表現してくれる。その姿は、まるでフラメンコを踊っているようだ。
  アチュカロは、現在87歳。矍鑠たるもので、昨日の演奏もそうだったが、音楽に情熱を燃やし、ピアノを心から愛している様子が伝わってくる。
  このインタビューは、次号の「日経新聞」に書く予定である。
  貴重な話をいろいろ聞くことができ、とても有意義な時間を過ごすことができた。またすぐにでも来日してほしいと切に願う。
  今日の写真は、インタビュー後のワンショット。
 「テニスの全米オープンでナダルが優勝したんで、とてもうれしいんですよ」というのを聞き、私の表情がにわかに変わった。
「私は昔からフェデラーの大ファンですから、彼が優勝できなくてとても残念です」
  どうも私は感情がすぐ顔に出るらしく、アチュカロはあわてて「いやいや、私もフェデラーは好きですよ。彼のプレーは実に美しいですからね」といい、私の顔を上目遣いに見ていた。
  ホアキンさま、大変失礼しました。テニスの話になると、どうも感情がむき出しになってしまって…。
  ホアキンさまはスペイン人ですから、スペインの選手を応援するのは当然ですね。

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posted by 伊熊よし子 at 22:43 | マイ・フェイバリット・ピアニスト
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