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樋口あゆ子

 ピアニストの樋口あゆ子が、日本楽壇デビュー30周年を記念し、5月24日(14時開演)に浜離宮朝日ホールでコンサートを開く。 
 その話を聞きに、音楽之友社まで出かけた。
 今回のプログラムは、ベートーヴェンのピアノ協奏曲第5番「皇帝」と、チャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番。共演は彼女が信頼している岩村力指揮東京シティ・フィルである。コンチェルトの前に、モーツァルトの「フィガロの結婚」序曲が演奏される。
 その2曲のコンチェルトに対する思い出と、選曲の理由、そして指揮者とオーケストラ、残響が大好きだというホールに関して、思いっきり語っていただいた。
 特筆すべきは使用楽器で、ルービンシュタインやホロヴィッツの演奏に貸し出していたという、名器ヴィンテージスタインウェイCD368を演奏すること。まさにニューヨークのピアノ界の黄金時代を彩っていたピアノで、現在はタカギクラヴィアが所有し、114年のときを経てすばらしい音が蘇るという。
 樋口あゆ子が2011年に録音した「ラフマニノフ、ガーシュウィン、ベトナム民謡」(コロムビア)のCDのライナーノーツを担当したが、ご本人がそのCDを持参してきてくれ、なんともなつかしい気持ちになった。
 このインタビューは、次号の「音楽の友」に掲載される予定である。
 今日の写真は、インタビュー後のワンショット。イタリア製だという深紅のワンピースがとても似合っていた。こういう赤は、やはりイタリアの色で、情熱と陽光と乾いた空気を連想させる。

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posted by 伊熊よし子 at 21:42 | クラシックを愛す

ジャン・ロンドー

 フランスのチェンバリスト、ジャン・ロンドーは、来日のたびに大きな感動を届けてくれる。
 3月26日に王子ホールで聴いたリサイタルは、オール・バッハ・プログラム。プレリュード リュート組曲 ハ短調BWV997より(ロンドー編)からスタートし、パルティータ第2番、第4番と続け、曲間の拍手はいっさいなし。休憩時間もなく、最後はシャコンヌ 第2番(ロンドー編)で締めくくり。
 すべてが繊細でこの上なく情感豊かで、詩的で表現力に満ちあふれている。
 ロンドーのチェンバロは、タッチ、アーティキュレーション、レジスターの選び方など、すべてにおいて完璧なる美に包まれているが、もっとも印象的なのは特有の間である。
 ショパンのルバートにも匹敵するその奏法は、ロンドーならではの美学に貫かれていて、すこぶる自然で、しかもだれにもまねできない手の内に入った奏法である。
 当日の楽器は、ヤン・カルスベック2000年昨(オランダ)のジャーマン・モデル(ミートケ・モデル)。
 アンコールはバッハのフランス組曲第4番のアルマンドと、クープランの神秘的なバリケード。
 何日も感動が心に残る印象的な演奏で、帰宅してから先日の新譜「ルイ・クープラン作品全集」を聴いてしまった。 
posted by 伊熊よし子 at 23:39 | クラシックを愛す

フレディ・ケンプ

 フレディ・ケンプには何度かインタビューをしたことがあるが、いつもことばを尽くしてていねいに、一生懸命気持ちを込めて話してくれる。
 今回は「音楽の友」のオンライン・インタビューで、4月の来日公演について話を聞いた。
 4月5日には九州交響楽団とベートーヴェンのピアノ協奏曲第2番の弾き振りと、モーツァルトの交響曲第40番の指揮を行う。6日には武蔵野市民文化会館小ホールで、ラフマニノフ、ショスタコーヴィチ、ムソルグスキーというロシア・プロでリサイタル、7日には王子ホールでベートーヴェンのピアノ・ソナタ第3、4、7、20番と「悲愴」を弾く。
 ケンプは以前からベートーヴェンのソナタを得意としているため、今回はその話から聞き、その後に他のプログラムに関して、特に弾き振りと指揮について話してもらった。
 彼は、指揮を先生に就いて勉強しているそうで、リハーサルの方法やその時間のとり方、自身の考えをどのようにオーケストラに伝えるかをじっくりと語ってくれた。
 ケンプは常に日本公演をとても大切に考えているといい、できる限り新しい作品を組み、「二度と同じ演奏はしない」と明言した。
 この記事は、次号の「音楽の友」に掲載される。
posted by 伊熊よし子 at 23:21 | クラシックを愛す
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