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フレディ・ケンプ

 フレディ・ケンプには何度かインタビューをしたことがあるが、いつもことばを尽くしてていねいに、一生懸命気持ちを込めて話してくれる。
 今回は「音楽の友」のオンライン・インタビューで、4月の来日公演について話を聞いた。
 4月5日には九州交響楽団とベートーヴェンのピアノ協奏曲第2番の弾き振りと、モーツァルトの交響曲第40番の指揮を行う。6日には武蔵野市民文化会館小ホールで、ラフマニノフ、ショスタコーヴィチ、ムソルグスキーというロシア・プロでリサイタル、7日には王子ホールでベートーヴェンのピアノ・ソナタ第3、4、7、20番と「悲愴」を弾く。
 ケンプは以前からベートーヴェンのソナタを得意としているため、今回はその話から聞き、その後に他のプログラムに関して、特に弾き振りと指揮について話してもらった。
 彼は、指揮を先生に就いて勉強しているそうで、リハーサルの方法やその時間のとり方、自身の考えをどのようにオーケストラに伝えるかをじっくりと語ってくれた。
 ケンプは常に日本公演をとても大切に考えているといい、できる限り新しい作品を組み、「二度と同じ演奏はしない」と明言した。
 この記事は、次号の「音楽の友」に掲載される。
posted by 伊熊よし子 at 23:21 | クラシックを愛す

上原彩子

 上原彩子が、2024年からベートーヴェンのピアノ・ソナタ全曲公演を行っているが、今日は東京文化会館小ホールでその第3回が開催された。
 プログラムは前半が、第9番、第10番、第8番「悲愴」、後半が第11番という構成だ。
 上原彩子の演奏はデビュー当初から聴き続けているが、このベートーヴェンは彼女の「いま」の心身の充実をリアルに映し出すものだった。
 打鍵の深さ、強弱の絶妙なバランス、ペダルの使用、作品の内奥に迫っていく姿勢と解釈など、ベートーヴェンの前期のソナタの締めくくりにふさわしい内容だった。
 実は、3月3日に「ピアノの本」のインタビューで上原彩子に会うことになっている。
 今回は、どんな話を聞くことができるだろうか。きっとベートーヴェンに関して、雄弁に語ってくれるに違いない。本当に楽しみである。

 
posted by 伊熊よし子 at 23:34 | クラシックを愛す

前田妃奈&久末航

 2月20日、東京文化会館小ホールで、ヴァイオリンの前田妃奈とピアノの久末航のリサイタルが行われた。
 先週は連日インタビューや取材に追いまくられ、心身ともに疲弊していたため、このデュオ・リサイタルは私にとってひとときのリラックスタイムであり、心が癒される時間として、とても楽しみしていた。
 ところが、冒頭のプーランクの「ヴァイオリンとピアノのためのソナタFP.119」から、両者の演奏はとてつもないエネルギーと推進力に満ちあふれ、スピード感もハンパではなく、癒されるどころではない。
 次いでストラヴィンスキーの「ディヴェルティメント バレエ音楽《妖精の口づけ》よりS.ドゥシュキン編曲)が登場し、歌って飲んで踊りあかそうとばかりに激しい演奏に、まさに脳が覚醒してしまった。
 後半は、ほとんど演奏される機会のないペリオの「バレエの情景」からスタート。初めて聴くストーリー性豊かな曲に新たな面を見出し、前田妃奈と久末航の見事な音の対話に酔うことができた。
 最後は有名なフランクのヴァイオリン・ソナタ。これもふたりにかかると、有名な作品に自分たちならではの個性と解釈を盛り込み、ふたりの音がひとつの音になるような見事なまでのコミュニケーションを聴かせ、たっぷりと作品の深さを味わうことができた。
 前田妃奈は、いつ聴いてもエネルギー全開だ。久末航は、いずれの曲も彼らしい透明感ある美音と成熟した解釈、さらに響きに特有の温かみがあり、魅了される。
 仕事で疲れ切っていた週末の夜、ゆったりと音楽に包み込まれることができた。
posted by 伊熊よし子 at 22:02 | クラシックを愛す
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