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神尾真由子

  2020年6月、コロナ禍のなか神尾真由子が浜離宮朝日ホールで、J.S.バッハの「無伴奏ヴァイオリン・パルティータ全曲」のレコーディングを行った(ソニー)。
  その話を聞くために、レコード会社に赴いた。
  神尾真由子には新譜がリリースされるごとにインタビューを行っているが、最近はかなり自分から進んで話してくれるようになった。
  今回は初録音となるバッハの無伴奏作品ゆえ、その作品に対する思い、バッハへの敬愛の念、パルティータ全3曲のそれぞれの解釈などを中心に聞き、子ども時代からのバッハとのつきあい方なども話題にのぼった。
  さらに、コロナ禍での過ごし方や、気持ちの変化、音楽への思いなども聞くことができた。
  このインタビューは、次号の「レコード芸術」に掲載される予定である。
  最近は対面取材で会うアーティストに、必ずコロナ禍での過ごし方を聞いているが、ほとんどの人がナマの演奏の大切さを痛感したと語る。やはり、音楽家はステージで聴衆を前にして演奏してこそ、真価が発揮できるわけだ。
  ただし、話を聞いた全員がこの時期を「学びのとき」ととらえ、自身の演奏を高めるために家にこもり、懸命に練習に励んだり、新たなレパートリーを開拓することに務めている。
  神尾真由子も、こういう時期だからこそ、バッハと向き合う大切さを実感したそうだ。
  今日の写真はインタビュー後の1枚。この日は、とてもスタイリッシュな黒のジャケットを着ていた。

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posted by 伊熊よし子 at 22:34 | クラシックを愛す

横山幸雄

  12月5日と6日は、横山幸雄の「ベートーヴェン  ピアノ・ソナタ全32曲連続演奏会」(東京文化会館大ホール)が開催される日である。
  今夏、横山幸雄にその趣旨を聞くインタビューを行い、その全文をジャパン・アーツのHPで紹介している。
  私が今回もっとも注目しているのは、初期のピアノ・ソナタである。
  中期や後期のソナタは、標題の付いている作品をはじめ、人気の高い作品が多い。
  しかし、初期のソナタはあまり演奏される機会に恵まれないものも多く、今回は第1日目の前半にこうした作品が登場する。
  そこで、今日は13時開演の第1部から聴きに出かけた。
  横山幸雄は演奏前に、今回の全曲演奏を決意したいきさつや、自身の意気込みなどのトークを行い、「ぼく自身、初めての試みなので、本当に最後までやれるのかわかりません」といって、会場の笑いを誘っていた。
  そして始まってみれば、いつもの横山幸雄の肩の力が抜けた自然体の演奏が滔々と流れ、1曲ずつていねいに弾き込んでいくスタイルに変わりはない。
  やはり初期のソナタをこうして順番に聴くと、ベートーヴェンの若き時代の冒険心や探求心などが随所に見え、非常に興味深い。まさにこれが全曲演奏の意義であり、醍醐味である。
  私はピアノ・ソナタ第2番の第4楽章をこよなく愛している。アルペッジョの上昇に導かれていく晴朗な主題は、光に向かって飛翔していくようで、ベートーヴェンの厳格で緻密な構成を特徴とするソナタのなかで、とりわけ輝きを放っているように感じられる。
  この公演レビューは、「音楽の友」に書く予定である。
  今日は第1部が13:00に開始し、第5部が19:30に始まった。明日は11:00に第6部が開始され、第11部が17:00に始まる。
  彼はすべて暗譜、ゆるぎない自信に満ちたそのベートーヴェンは、明日の最後まで延々と続くことになる。

posted by 伊熊よし子 at 20:57 | クラシックを愛す

竹澤恭子

  毎年、2月から3月に開催されている「東芝グランドコンサート」が、2021年はトマス・セナゴー指揮ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管弦楽団と決まった(2月23日〜3月5日、全国8公演)。
  プログラムはマーラーの交響曲第1番「巨人」、シベリウスの交響曲第1番他が組まれており、ヴァイオリンの竹澤恭子とピアノの小曽根真がソリストとして加わる。
  竹澤恭子はブルッフの「スコットランド幻想曲」を、小曽根真はモーツァルトのピアノ協奏曲第9番「ジュノム」を演奏する。
  そのソリストのひとり、竹澤恭子にインタビューするため、フジテレビまで出かけた。 
  彼女はこのオーケストラとの共演が決まったとき、即座にブルッフの「スコットランド幻想曲」を選んだという。
  スコットランドの民謡が随所にちりばめられているこの作品を、スコットランドのオーケストラと演奏するのは、まさにピッタリである。
  作品との出合いについて、ブルッフの作風について、マエストロ・セナゴーとの初共演について、一度共演したことのあるオーケストラについてなど、さまざまな話を聞くことができた。
  竹澤恭子はふだんはとてもおだやかで話しやすい人だが、ステージに登場した途端、凛とした表情で、情熱的で激しく男性的な演奏を行い、作品の内奥に深く切り込んでいく。
  その演奏は聴き手の心をぐいぐいと引っ張り、作品のなかへと強靭な力でいざなっていく。
  それゆえ、私はいつも彼女の演奏を聴くと、その作品の深層へともぐりこんでいくような感覚にとらわれる。
  今回も、ふだんあまり演奏される機会に恵まれない「スコットランド幻想曲」の真意に触れることができるのではないかと、大きな期待を寄せている。
  今日の写真は、インタビュー後のワンショット。このインタビューは来日公演のプログラムに書く予定である。

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posted by 伊熊よし子 at 22:19 | クラシックを愛す
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