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東京音楽大学付属オーケストラ・アカデミー

 7月10日(日)、母校の東京音楽大学の中目黒・代官山キャンパスのTCMホールに、音大付属オーケストラ・アカデミーのコンサートを聴きに行った。
 宮本文昭指揮&トークで、ピアノの安並貴史がコンチェルトのソロを務める。
 プログラムはモーツァルトのピアノ協奏曲第20番の第1楽章と、ベートーヴェンの交響曲第7番の第1楽章。全部で1時間のコンサートである。
 オーケストラ・アカデミーは、オーケストラ奏者として国内外の職業オーケストラで活躍できる演奏力を磨き、音楽家を育成することを目的としている。
 在籍期間は1〜3年間で、大学卒業者または同等以上の演奏水準を備えた人が実技試験で選ばれる。
 TCMホールは初めて訪れたが、木のぬくもりが感じられる、とても日秘儀のよいホールだった。
 この演奏について、オーケストラ・アカデミーに関して、「CDジャーナル」WEBにレポート記事を寄せるつもりである。
posted by 伊熊よし子 at 22:34 | クラシックを愛す

山根弥生子

 1953年にパリ国立音楽院を卒業し、国内外で活躍してきたベテランのピアニスト、山根弥生子が、J.S.バッハの「平均律クラヴィア曲集第1巻&第2巻」を録音した(コジマ録音)。
 先日、ご自宅を訪ね、そのレコーディングにまつわる話、チューリッヒ、ベルリン、モスクワで勉強していた時代の話、偉大な音楽家のナマの演奏に触れた話、子ども時代からのピアノに関することなど、多岐に渡る興味深い話を聞いた。
 山根弥生子が留学していた時代は、まさにクラシックの黄金期ともいうべきすばらしい音楽家が活躍していた時代。
 その話が始まると、時間がいくらあっても足りないほどさまざまなアーティストの話題が飛び出し、歴史のひとこまを垣間見る思いがした。
 こういう話は非常に貴重で、なんとか形に残したいと思う。だが、雑誌などのインタビューではなかなかページが割けず、大切な内容はいつのまにか消え去ってしまう。
 今回の新譜「平均律」はテンポが特有で、彼女ならではのこだわりがあり、かなり速い。そしてひとつひとつの音が実に美しく深々として、心に染み込んでくる。
 このCDはハッピーなときではなく、ストレスがたまったり、深く落ち込んだり、どうにも出口が見つからないほど悩んだりしているときに聴くと、涙が止まらないほどの感動を呼び覚ましてくれる。
 このインタビューは、次号の「ぶらあぼ」に書く予定になっている。
 今日の写真は、新譜のジャケット写真。
「いま弾かなくて、いつ弾くのよと思い、録音に踏み切ったの」と話していたが、レコーディングは大変だったそうだ。
 健康に十分に気をつけて、まだまだ活躍してほしい。対面のインタビューで、大きな力と勇気と前向きな気持ちをいただいた。

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posted by 伊熊よし子 at 17:13 | クラシックを愛す

エリーナ・ガランチャ

  コロナ禍で延期になっていたエリーナ・ガランチャ(メゾ・ソプラノ)のリサイタルが、ようやく実現の運びとなった。
  私がチケットを購入したのは2020年5月の公演。その後、何度か延期となり、6月29日にすみだトリフォニーホールでようやく聴くことができた。
  第1部は、ブラームスの歌曲7曲で幕開け。冒頭から、ガランチャ特有の自然で深々とした美しい歌声が全開。ホールの隅々までゆったりとブラームスの滋味豊かな旋律が浸透していく。
  次いでベルリオーズの「ファウストの劫罰」より「燃える恋の思いに」が登場。オペラのひと幕のような、表情豊かな歌いまわしと圧倒的な迫力で、すでに会場はオペラハウスと化す。
  ここでピアニストのマルコム・マルティノーのドビュッシー「月の光」の演奏が入る。
  そして私がこよなく愛する、サン=サーンスの「サムソンとデリラ」の「あなたの声で心は開く」が歌われた。ああ、なんと官能的で情感に富み、想像力を喚起する歌声なのだろうか。
  もう、この1曲を聴いただけで、今回は大満足。夢見心地になってしまった。
 前半の境後は、グノーの「サバの女王」より「身分がなくても偉大な方」。これもまた、オペラの舞台を連想させる視覚に訴える歌唱で、ほんの少しの演技が聴き手をグノーの世界へといざなった。
  後半は、チャイコフスキーの「オルレアンの少女」より「さようなら、故郷の丘」から開始。ロシアものが続き、ラフマニノフの歌曲4曲が馨しい香りを放って披露された。ガランチャはロシア語が得意なようだ。
  ここでまた、マルコム・マルティノーのピアノでアルベニスの「タンゴ ニ長調」が演奏され、ここからはサルスエラへと移っていく。
  バルビエリの「ラバピエスの小理髪師」より「パロマの歌」、ルペルト・チャピの「エル・バルキレロ」より「とても深いとき」、サルスエラ「セベデオの娘たち」より「とらわれし人の歌(私が愛を捧げたあの人のことを思うたび」と続く。
  前半と後半では衣裳も替え、ヘアスタイルも微妙に異なっていた。まさに、完璧主義者である。
  ガランチャの真骨頂はこれから。なんと、アンコールが30分以上も続いたのである。
  鳴りやまない拍手に応え、何度もステージに登場。「もう終わりっていったでしょう」とかなんとかいいながら、次々に多彩な曲を歌い込んでいく。
  声はどんどん出てきて、ひとりオペラの様相を呈し、いまは叫んではいけないといわれているが、たまりかねた聴衆が大騒ぎ。いっこうに終わる気配がない。
  最後に「これで、本当にフィニートよ」と笑いながらいって、手を振りながらステージをあとにした。
  まだ、この時点で2022年は半分のところだが、「今年のコンサート・ベストテン」のトップに挙げたいと思うほど、充実した一夜となった。今度はぜひオペラで来日してほしい!!
posted by 伊熊よし子 at 18:16 | クラシックを愛す
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