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小菅優

  ピアニストの小菅優が、8月2日に第48回サントリー音楽賞受賞記念コンサートをサントリーホールで開いた。
  プログラムは、モーツァルトの「ピアノとヴァイオリンのためのソナタ ト長調 K.379」(373a)で幕開け。盟友のヴァイオリニスト、樫本大進との共演である。
  次いで藤倉大の「WHIM」(世界初演)が登場し、長年の友人である藤倉大が小菅に捧げた作品が披露された。
  前半の最後は、ベートーヴェンのピアノ・ソナタ第21番「ワルトシュタイン」。25歳のときに始めた、ベートーヴェンの全ソナタ演奏会を敢行した小菅の演奏会がこの賞の受賞理由になったことから、この日は「ワルトシュタイン」が選ばれた。
  後半は、やはり小菅と何度も共演して息の合っているチェリストのクラウディオ・ボルケスが加わり、ブラームスの「ピアノ三重奏曲第1番」が演奏された。
  いずれも小菅優の力量を存分に示す作品で、長年彼女の演奏を聴き続けているが、この夜はまたひとまわり人間性と音楽性が大きくなった感じを受けた。
  アンコールは、樫本大進とクラウディオ・ボルケスが小菅をピアノの方へと手招きし、ふたりはステージの隅に腰かけて演奏を聴く感じ。楽器を抱えてふたりが並んでいる様子が実にキュートだった。
  小菅優はモーツァルトのピアノ・ソナタ第10番K.330より第1楽章を演奏したが、これが実に美しくかろやかで躍動感に満ちあふれた演奏。国際舞台で活躍する彼女の底力を見せつけた演奏となった。
 この公演評は、「モーストリー・クラシック」に書くことになっている。
 今日の写真は、終演後の3人。大進は着替えたばかりで、汗びっしょりだ。優さんとクラウディオは、親密な表情をのぞかせている。優さん、受賞おめでとう。どんどん大きくなる姿、たのもしい限りです。

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posted by 伊熊よし子 at 22:25 | クラシックを愛す

成田達輝

 ヴァイオリニストの成田達輝には、彼がロン=ティボー国際コンクール(2010)で第2位入賞に輝いた直後にインタビューで出会った。
  それ以降、なぜかチャンスがなく、先日久しぶりにインタビューを行った。
「いやあ、久しぶりですねえ。あれからいろんなことがあり、人生が大きく変わりましたよ」
  元気な笑顔を見せながら話す成田達輝は、ひとまわり大人になった感じがした。
  もちろん、この間にはエリザベート王妃国際音楽コンクール(2012)で第2位、仙台国際音楽コンクール(2013)でも第2位を獲得し、プライヴェートでもさまざまな変化が起き、まさに人生が変わったようだ。
  先ず、彼の近況から話してもらい、以前のインタビューでは聞けなかったことなどにも触れ、現在の充実した音楽生活を存分に話してもらった。
  このインタビューは、「音楽の友」に書く予定である。
  成田達輝が現在使用している楽器は、アントニオ・ストラディヴァリの黄金期にあたる1711年製「タルティーニ」。
 この楽器に関してもじっくり話してもらい、さらに今後どのような方向性を目指していくのかも聞くことができた。
 10月8日には東京オペラシティ リサイタルホールで開催される、「B→C」(バッハからコンテンポラリーへ)に出演する(10月5日 、札幌コンサートホールKitara小ホールも有り)。
  今日の写真は、取材先のジャズバーでのショット。今後はそんなに時間を空けずにインタビューをしたいものだと思う。

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posted by 伊熊よし子 at 21:43 | クラシックを愛す

辻井伸行&ルシエンヌ

  ピアノとトランペットをソリストに迎え、オーケストラとの緊密な音の対話を繰り広げるショスタコーヴィチのピアノ協奏曲第1番は、そうそう演奏されるコンチェルトではない。
  いま、パトリック・ハーン指揮オーケストラ・アンサンブル金沢とのツアーが行われている真っ最中だが、そのソリストとして参加している辻井伸行とルシエンヌが、7月19日にサントリーホールでこのコンチェルトを演奏した。
  ショスタコーヴィチが27歳のときに書いた作品で、冒頭から劇的で躍動感に満ち、快活な部分と悲劇的で瞑想的な面も織り交ぜ、美しいトランペットの独奏、ピアノのカデンツァなどが登場し、約21分間というもの一瞬たりとも弛緩することなく、高揚感をもって聴かせる。
  辻井伸行は、オーケストラの重厚な序奏に次いで第1主題を奏でるところから、集中力全開。フィナーレまで曲の内部に入り込み、ルシエンヌ、ハーン&オーケストラと一体となって突き進んだ。
  一方、フランスの若きトランぺッター、ルシエンヌはかろやかに情感豊かにうたうような音色を響かせ、天才性を示した。
  以前、ルシエンヌに話を聞いたとき、「私は倍音を感じるため、ステージでは裸足で演奏するの」といっていたが、ミニスカートでフワフワの巻き毛を揺らしながら裸足で登場したときは、会場中が「オーっ」という感じで驚きを隠せなかった。
  背中に羽をつければ、まさにエンジェルのよう。ヨーロッパの壁画に描かれているような天使を想像してしまった。
  このコンチェルトはアルゲリッチ&ナカリャコフで聴いたことがあるが、今回はまたひと味異なる、みずみずしさにあふれた演奏だった。
  昨日は、東京オペラシティで再びコンサートが行われ、このときはハイドンのトランペット協奏曲とモーツァルトのピアノ協奏曲第27番がプログラムに組まれた。
  終演後、辻井伸行に今回のツアーについて、ルシエンヌとの初共演について、ハーンとアンサンブル金沢についてなどの話を聞いた。このインタビューは「家庭画報」の連載記事に書く予定になっている。
  辻井伸行は、ショスタコーヴィチの作品は初挑戦。あんなに難しい曲で音符が多いのに、「すっごく楽しいんです。弾いていて、心がウキウキします」と明るく語った。さすがですねえ。

posted by 伊熊よし子 at 22:39 | クラシックを愛す
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