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佐藤晴真

  2019年9月に行われたミュンヘン国際音楽コンクールのチェロ部門で、日本人として初優勝に輝いた佐藤晴真が、12月6日に紀尾井ホールでリサイタルを開いた。
  コンクール後の帰国時(10月20日)にインタビューをした様子はブログに綴り、「東京新聞」に記事を書いた。
  リサイタルは、前半がドビュッシーのチェロとピアノのためのソナタ、プーランクのチェロとピアノのためのソナタ。後半がオール・ブラームス・プロで、「5つの歌曲」「6つの歌」よりのチェロとピアノ版が奏され、最後にピアノとチェロのためのソナタ第2番が演奏された。
  佐藤晴真のチェロはのびやかでよくうたうが、内省的で抒情的で聴き手の心の奥深く響いてくるものを備えている。
  コンクールでも、人の心に訴える力が高く評価されたに違いない。
  とりわけブラームスのソナタ第2番の第2楽章(アダージョ)が美しく、息の長い旋律を朗々とうたわせる部分が印象に残った。
  ご本人が、「僕の声は低いので、チェロの音と同質のような気がするんです」と語っていたが、まさに自身の心の声を表現しているようだった。
  ちなみに、使用楽器は宗次コレクションより貸与されている1903年製E.ロッカ。弓は匿名のコレクターより貸与されているF.Tourteである。
  今日の写真は、終演後にピアニストの薗田奈緒子と。
  2020年もベルリンと日本を何度も往復し、コンサートを行う予定。3月14日にはめぐろパーシモンホール(小ホール)でリサイタルが予定されている。
   大海原へと漕ぎ出す若きチェリストの未来に期待したい。

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posted by 伊熊よし子 at 23:14 | クラシックを愛す

アレクサンドル・タロー

  フランスの個性派ピアニスト、アレクサンドル・タローは、ラモーやクープランなどのチェンバロ音楽をピアノで演奏し、センセーションを巻き起こした人である。
  毎回、新譜をリリースするごとに新たな世界を展開し、聴き手に驚きや発見を促してきた。
  今回の新譜は、「ヴェルサイユ」(ワーナー)。17〜18世紀のフランス音楽を取り上げたもので、ラモー、クープランはもちろん、ロワイエ、ダングルベール、デュフリなどが含まれている。
  来日のたびに話を聞いているが、今回も新譜について、近況についてインタビューするため、レコード会社に出向いた。
  タローは、いつも録音に関しての話は半分ほど。あとは自分が興味をもっていること、新たに始めたこと、最近凝っていること、それから食談義などになってしまう。
  それも実に楽しい時間だ。
  彼は東京にくると、「待ってました」とばかりにおいしい和食のお店に飛んでいくという。
  今回は親友のチェリスト、ジャン=ギアン・ケラスと一緒に来日したため、ふたりであちこち食べ歩いているそうだ。
「日本はすばらしいよね。もうパリに帰ると、東京で食べた美味なる食事が思い出されて、なつかしくてなつかしくて…」
  なんでも、最近のパリは手放しでおいしいというお店は少なくなり、一生懸命探さないと失敗するとか。
「ねえ、出張にきたら、絶対に失敗したくないでしょう。短時間の滞在でおいしくないものを食べたら、パリの印象が悪くなるし…。パリにくるときは、絶対に電話して。まだまだ隠れた名店はあるんだから」
  まあ、そういわれても、そんなにパリに行く機会もないし…。
  でも、ありがとね。そういえば、最近、パリで印象に残るほどおいしいものを食べた記憶はないなあ。
  タローのリサイタルは、明日トッパンホールで行われる。プログラムはCD「ヴェルサイユ」の収録曲も含まれている。
  今日の写真は、フレンチ・バロックの音楽を楽しそうに話すタロー。このインタビューは、新聞に書く予定である。
  彼はとてもスリムゆえ、日本の洋服のサイズがピッタリだそうで、来日すると行きつけのデパートのお店に駆け付け、何枚か購入するという。今日のセーターも買ったばかり。「いいでしょ、いいでしょ」といっていた。

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posted by 伊熊よし子 at 23:31 | クラシックを愛す

服部百音

  若手音楽家の演奏をデビュー当時から聴き続けていると、その成長とともに人間性、音楽性がどんどん変化していく様子がわかり、興味深い。
  ヴァイオリニストの服部百音の演奏に初めて接したのは、彼女が11歳のときだった。「天才少女」といわれ、どんな難曲も楽々と自然に弾いてしまうその姿に驚かされたものだが、素顔の彼女はとても真面目でひたむきで、謙虚な性格だった。
  今日は、服部百音のリサイタルが紀尾井ホールで行われ、演奏を聴きに出かけた。
  プログラムは、前半がシマノフスキの「ノクターンとタランテラ 作品28」、R.シュトラウスの「ヴァイオリン・ソナタ 作品18」。後半がシマノフスキの「アレトゥーザの泉」、ショーソンの「詩曲」、クライスラーの「ウィーン奇想曲」、そして最後はラヴェルの「ツィガーヌ」という構成である。
  服部百音の演奏は、いつ聴いても作品の内奥に一途に迫っていく姿勢が印象的だが、今回はそれに加えて音自体が以前より太く深くどっしりとした感じになり、大きな成長を示した。
  とりわけショーソンの「詩曲」が美しく詩的で生命力にあふれ、内なる情熱を秘めた旋律がみずみずしく奏でられた。
  共演者は、ヴァイオリニストとのデュオといえばこの人、ヴァイオリン作品を知り尽くしている江口玲である。
  今日の写真は、終演後の服部百音と江口玲。やはりひとりの奏者を聴き続けてくると、その成長がひしひしと感じられ、感慨深い。今後もずっと聴き続けていきたい。きっとまた、近いうちに大きな変貌を遂げるに違いない。

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posted by 伊熊よし子 at 23:51 | クラシックを愛す
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