2020年11月02日
河村尚子
ドイツ在住の河村尚子がリサイタルのために帰国し、新譜のためのインタビューも行った。
ベートーヴェン生誕250年のメモリアルイヤーにリリースされるのは、ベートーヴェンのピアノ・ソナタ集の第3作。「ハンマークラヴィーア&告別」である(ソニー 12月16日発売)。
彼女にはデビュー以来何度も話を聞いているが、いつも前向きでおだやかで、録音に関しても率直に話してくれる。
このインタビューは「CDジャーナル」に書く予定になっている。
もちろん、ベートーヴェンに関して、選曲について、各曲の解釈や自身の取り組み方なども存分に聞いたが、コロナ禍のいま、どのように過ごしているかも聞くことができた。
ドイツの状況、家族との過ごし方、そして音楽とのつきあい方など、多岐に渡る話を聞くことができ、記事は幅広い視点で綴りたいと思っている。
いまは都会ではなく、静かな町に住んでいて庭が広く、果樹園のようにたくさんの果物が実っているそうだ。
菜園にはじゃがいもやズッキーニなどが植えてあり、演奏会が少ないため、そうした畑仕事にも時間を割けるといっていた。
河村尚子は昔から国際コンクールの参加者たちに「お母さん」と呼ばれて頼られるほど、堂々としていて、いわゆる面倒見のいいタイプだった。
いまはすっかり母親としても貫禄がつき、何があっても動じないような懐の広さと自信を感じさせる。
演奏もまた、「あるべきところに音がある」という確信に満ちたもの。「ハンマークラヴィーア」はかなり難しい作品だと語っていたが、その努力の痕跡は微塵も感じさせず、説得力のある演奏を披露している。
今日の写真は、にこやかにいろんな話をしてくれた河村尚子。このワンピース、変わった色合いだと思ったら、ドイツ製だそうだ。日本ではなかなかこういう色の組み合わせはないよね。
posted by 伊熊よし子 at 22:17
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