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ニュウニュウ

 若きピアニスト、ニュウニュウは会うたびに大きな成長を見せ、驚くばかりだ。
 私は11歳のころから取材を続けているが、2018年9月に新譜をリリースし、そのときに久しぶりに会ったら身長180センチを超える大人のピアニストになっていて、いやはや年月の経つのは早いとビックリ。
「久しぶりに来日したら、みんなに”背が伸びたねえ”といわれ、驚きの声ばかり。僕自身はちっとも変っていませんが、子どものころに会った人は僕を見てビックリするみたいですよ」
  今回は1年半ぶりだったため、そう驚きはしなかったが、もっとも変化していたのはインタビューに対する受け答えのすばらしさである。
  ニュウニュウはとても礼儀正しく、どんな質問にもことばを尽くしてしっかり答えてくれるが、今回はいずれも精神性の高さを示す適格な返答で、大きな成長を印象づけた。
  このインタビューは、次号の「音楽の友」に掲載される予定である。
  もっとも印象深かったのは、ごく幼いころから「神童」といわれ、世界各地で演奏してきたことに対する自分の気持ちを率直に表現したこと。
 「とても複雑な人生で、ことばでは表現できないほど難しいことがあり、辛かった」と話す。
  でも、いまは各地で演奏することにより、音楽で人々とのコミュニケーションがとれることに大きな意義を感じているそうだ。
  いろんなことを聞いたが、最後にいわれたひとことが、私の脳裏に深く刻まれることになった。
「デビュー以来、ずっと温かくサポートをしてくれて、本当に感謝しています。僕はデビュー10周年を超え、また新たなる10年、20年を見据え、前向きに生きていきたいと思っています。10年後、20年後もずっと応援してくださいね」
  いやあ、困った。20年後…、なんと返事をしたらいいのだろうか。仕事をしているのか、生きているのかもわからない(笑)。
  若いアーティストにこういわれちゃうと、返答に窮する。
  一応、「健康に気をつけ、頑張ってみます」と答えておいたが、こんなことをいわれたのは初めてゆえ、いまでもずっとそのことばが頭から離れない。
  今日の写真は、インタビュー中のニュウニュウ。う〜ん、印象に残る日だった。

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posted by 伊熊よし子 at 22:49 | アーティスト・クローズアップ

川口成彦

  今年から「音楽の友」で、「マリアージュなこの1本〜お酒と音楽の美味しいおはなし」という連載記事を担当している。
  これはアーティストの行きつけのお店で、好みのお酒を飲みながらインタビューに答えてもらい、撮影もするというページだ。
  これまで何人か行ってきたが、みなさん通常のインタビューとは異なり、とてもリラックスした雰囲気。もちろん、お酒の話だけではなく、そのアーティストのこれまでの歩みや近況、どんなときにお酒を飲むかということまで聞く。
  来月号はフォルテピアノ(ピアノ、チェンバロ)の川口成彦の登場で、五反田のBar Sherry Museumというお店で行った。このお店のオーナー、中瀬航也さんは、シェリーの本も出版されているほどの人物で、川口さんとも長いおつきあいとか。
  シェリー酒は、スペインのアンダルシア地方ヘレスとその周辺で造られる白ワインの一種。スペインが大好き、とりわけアンダルシアに目のない私は、とても興味深く話を聞いた。
  川口成彦の名は、2018年にワルシャワで開催された第1回ショパン国際ピリオド楽器コンクールにおいて第2位を獲得したことで、一躍広く知られるところとなった。
  今回は、フォルテピアノでショパンを弾く意味、フォルテピアノとの出合いからこれまでの活動、現在拠点にしているアムステルダムでの生活、レパートリーのこと、今後の抱負など、さまざまなことを聞いた。
  このインタビューは、2020年1月発売の「音楽の友」に掲載される予定である。
  今日の写真は、中瀬さんとシェリーの話を熱く語っている川口成彦。

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posted by 伊熊よし子 at 21:28 | アーティスト・クローズアップ

トーマ・プレヴォ

  フランスにはチェロのフランス流派が存在するように、フルートにもフレンチ・スタイルがある。
  1976年にフランス国立放送フィルハーモニー管弦楽団に入団して以来、長年に渡って首席奏者を務めたトーマ・プレヴォは、そのフランス特有の奏法を受け継いでいるフルーティストである。
  その彼が初のソロCDをリリースした(キングインターナショナル)。
  収録曲は、シューベルトの「しぼめる花」の主題による序奏と変奏曲、シューマンの3つのロマンス、R.シュトラウスのフルート・ソナタ(原曲:ヴァイオリン・ソナタ)の3曲。
  その新譜の話を聞きに、レコード会社まで出かけた。
  トーマ・プレヴォは、10歳からフルートの名手アンドレ・ペパンに師事している。その恩師の話題になると、口調がなめらかになり、話は尽きないといった様子だった。
  フランス流派の話、オーケストラにおける演奏について、歴代の指揮者のこと、初めての録音に取り上げたかった曲目について、幼いころのフルートとの出合いなど、話題は盛りだくさんだった。
  夫人は元フランス国立管弦楽団のヴァイオリニスト、破魔澄子。島根県の「石見銀山マスタークラス」のディレクターを務めている。
  トーマ・プレヴォもマスタークラスのフルートの講師を務めているため、そのマスタークラスの話をじっくり聞いた。
  この石見銀山という場所は、緑豊かな土地で、とてもおだやか。お魚がおいしく、ゆっくり音楽が学べるという。
  今年はようやく5年目を迎え、内容も充実してきたそうで、受講生も増えてきたという。
  ぜひ、機会があれば取材に行きたいと思った。
  今日の写真は、そのおふたり。このインタビューは「intoxicate」に書く予定になっている。

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posted by 伊熊よし子 at 22:57 | アーティスト・クローズアップ
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