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ジャン・チャクムル

  ようやく、ほぼ1カ月に渡る「音楽の友」の「若手ピアニスト特集」の取材、インタビュー、入稿がすべて終了した。
  一番最後のインタビューは、ジャン・チャクムルだ。
  彼は1997年トルコ・アンカラ生まれのピアニストで、2018年の浜松国際ピアノコンクールの優勝者である。
  その演奏は柔軟性に富む美音が特徴で、けっして力で押す攻撃的なピアニズムではない。昨夜は、Hakuju Hallでコンクール優勝記念コンサートが行われ、演奏を聴きに行ってきた。
  チャクムルはプログラムにこだわりをもつタイプで、この日はスカルラッティのソナタ4曲からスタート。その第1曲目が、スコット・ロスがこよなく愛したK208。私も大好きなソナタで、これを聴いただけで、もう存分に幸せな気分になった。
  次いでワイマール音楽大学の友人であるエリック・ドメネクの「ピアノのための短編小説」より第4曲「かくれんぼ」が奏され、メインのプログラム、シューベルト/リスト編「白鳥の歌」全曲に移った。
  チャクムルは、こうしたトランスクリプションが好きなようだ。インタビューでは、リストが大好きだと語っていたが、その編曲による「白鳥の歌」は、ピアノ1台でドイツ・リートのこまやかさまで表現。とりわけ、最後の「鳩の便り」が印象深く、ヘルマン・プライのステージを思い出して胸が熱くなった。
  この公演評は「モーストリー・クラシック」に書く予定である。
  チャクムルのインタビューは非常に内容が濃く、興味深い内容だった。学究肌の面もあり、作品の研究・分析も得意とか。さらに古い時代の録音・録画をネットで検索し、それらを研究対象にしているそうだ。
  こうしたことを率直に原稿に書き込んだつもりである。
  彼は笑顔がとてもやわらかく、気取らず、ごく自然体。いろんなところに話が飛んだが、サッカーを見るのが好きで、お料理も大好きだという。
  今日の写真は、ひとつずつ質問に対してじっく考えて答えるチャクムル。もう1枚は、カメラマンの撮影に対して、ポーズをとっているところ。でも、これも髪を気にしたりすることなく、ありのまま。スリムで、手足がとても長い。

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posted by 伊熊よし子 at 23:28 | ああ愉しき(?)、締切り地獄

来日ラッシュと原稿締め切り

  ここ1週間は、来日ラッシュでコンサートとインタビューなどが続き、原稿の締め切りも重なり、てんやわんやの状態である。
  ワレリー・ゲルギエフ指揮マリインスキー歌劇場の来日プログラムは「チャイコフスキー フェスティヴァル2019」と題し、11月30日から12月7日までオペラとシンフォニー、コンチェルトがぎっしり詰まっている。
  11月30日には「スペードの女王」、12月2日には「マゼッパ」を聴きに行った。両方ともゲルギエフの選んだ実力派の歌手が勢ぞろい。加えてオーケストラと合唱がこれまたすごい迫力。この2本のオペラに関しては、「公明新聞」に公演評を書く予定になっている。
  そして今夜は、アイスランド出身の個性派ピアニスト、ヴィキングル・オラフソンのリサイタルを聴きに紀尾井ホールに出かけた。ヴィキングルに関しては、これまでいろんなところで紹介してきたが、ナマで聴く彼の演奏はまさに衝撃。ブレない演奏というのは、こういうものなのだろう。ラモーを弾いても、ドビュッシーを弾いても、ムソルグスキーを弾いても、まったくこれまで聴いた演奏とは異なる魅力を発している。
  破格の才能の持ち主だということが理解できた。
  ヴィキングルについては、またゆっくり書きたいと思う。
  こうしたコンサートの合間に、ブログにも書いたアレクサンドル・タローのインタビューがあったり、「音楽の友」の小林沙羅の取材があったり、プログラム用の辻井伸行のインタビューがあったりと、土曜日も日曜日も仕事仕事。ちょっと疲れ気味である。もちろん、原稿締め切りが重なっているため、それらを集中してこなさなくてはならない。
  さて、もう12月に入ってしまった。これからしばらくすると年末入稿の季節がやってくる。
  それには体力を整えておかないと、途中で息切れしてしまう。というのをいいわけに、夜遅くなってから食べるから、この時期は変に太るんだよね。でも、食事制限をして体力が落ちると、風邪をひいたりするしね。
  この悪循環、なんとかならないものだろうか…。
  
posted by 伊熊よし子 at 22:43 | ああ愉しき(?)、締切り地獄

海外出張

 明日から14日まで、取材で海外出張に出かけることになった。
 いつもながら、出張前はドタバタの状況だ。
 日曜日の深夜に自宅に戻るため、その間の原稿と週明けの原稿を事前に入稿していかなければならない。
「帰国してから、原稿を送るから」 
 というと、大抵の編集者はイヤーな顔をする。
 そりゃそうだよね。出張から戻ったときに、すぐに平常業務に戻れるという保証はないし、時差や気温差でからだはボロボロになっているかもしれないから、原稿が書ける状態ではないかもしれない。
 というわけで、みんなから「出張に出かける前に入れてください」と、いわれることになる。
 やれやれ、そんなわけで出かける前からもうクタクタである。
 明日は、なんと成田エクスプレスの始発に乗るという、夜型の私にとっては大変な時間帯である。
 旅に出るというのは、こういうものなんだよね。
 さて、そろそろ荷物のパッキングをしましょうか。それでは、14日の深夜に戻ります。
posted by 伊熊よし子 at 21:00 | ああ愉しき(?)、締切り地獄
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