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島田隼

 今秋、ワルシャワで開催されるショパン・コンクールは参加者が決定し、世界中の若きピアニストがいまやその準備に余念がない。
 先日(7月30日)、そのひとり、島田隼のリサイタルを聴きにヤマハ銀座コンサートサロンに出かけた。
 もちろん、プログラムはオール・ショパン。ノクターン第13番、24のプレリュードより第13番〜第18番、スケルツォ第3番、バラード第2番、マズルカ作品56、ピアノ・ソナタ第2番「葬送」という構成である。
 島田隼は2005年生まれ。12歳で渡米し、アメリカのコンクールなどで優勝歴も多い。2025年8月よりジュリアード音楽院に入学予定だそうだ。
 演奏はとても率直で自然で、まっすぐに歩みを進めるピュアな精神に支えられたもの。このショパンが、あのショパン・コンクールの舞台でいかなる結果を出してくれるか、興味は尽きない。
 とりわけ印象的だったのは、ルバートや装飾音やリズム表現にまったく作為的なものが感じられないこと。特にルバートはそのピアニストの真意を描き出すため、自然体の奏法は高く評価されるのではないだろうか。
 この公演レポートは、「ピアノの本」に書く予定である。
 
posted by 伊熊よし子 at 23:25 | 日々つづれ織り

岸本 力

 バス歌手の岸本力が、ラフマニノフ歌曲(全曲)出版記念(カワイ出版)として、9月30日に東京文化会館小ホールで「バス・リサイタル」を開く。
 プログラムは3部構成で、ラフマニノフの歌曲を1部と3部に、その間にロシア民謡を挟み込む形だ。
 その話を聞くためにインタビューを行った。
 彼の話はとても面白くユニークで、生い立ちから東京藝大の学生時代のこと、留学時代のこと、ロシア音楽に目覚めたときのこと、チャイコフスキー・コンクールを受けたときのこと、恩師の小野光子(てるこ)とエレーナ・オブラスツォワの教えなど、さまざまな話題が盛りだくさん。
 ロシア音楽にいかに魅了されているか、これは自分の道だと熱く語り、後進の指導に関しても熱心。そしていつまでも、うたえるまでうたいたいと笑いながら、その胸の内を明かす。
 いまは「ロシア」というだけで問題になり、数年前までリサイタルを行うのもとても大変だったという。
 「でも、これは自分のライフワークですので、何があっても頑張ります」と、前向きな姿勢を崩さない。
 実は、私の母方の叔父やいとこがロシア語やロシア文学の専門家ゆえ、その話でも盛り上がった。
 今日の写真は、インタビュー後のワンショット。この記事は次号の「音楽の友」に掲載される。
 リサイタルは、今後もできることなら毎年開催したいと語る表情が、たのもしかった。

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posted by 伊熊よし子 at 21:49 | 日々つづれ織り

近藤嘉宏

 ピアニストの近藤嘉宏が、デビュー30周年を迎える。
 これを記念して、10月2日に浜離宮朝日ホールでアンナ・ドゥチマル=ムローズ指揮アマデウス室内オーケストラとの共演で、ショパンのピアノ協奏曲2曲を演奏する。
 その話を聞きに、音楽事務所まで出かけた。
 近藤嘉宏にはデビュー当初から話を聞き、もちろん演奏も聴いてきた。デビューCDは、ライナーノーツも担当した。ああ、あれから30年が経ったのだと感慨深い。
 会って話すと、いつも最初に会ったときとまったく変わらない。常に雄弁である。
 今回も、ショパンのコンチェルト2曲を弦楽オーケストラとの共演で演奏することに対し、ことばを尽くしてその魅力を語り、ポーランドのポズナンに設立されたこの室内オーケストラとの共演を非常に楽しみにしていると熱く語った。
 さらにピアノは、彼がこよなく愛すベヒシュタインを使用するそうで、その音色の魅力も「話し出したら止まらない」というほど、この楽器に惚れ込んでいる様子が伝わってきた。
 最近は楽譜の校訂(奏法に関して)も行っていて、春秋社の「新版リスト作品集」では楽曲と演奏からひも解くリストとベヒシュタインとのかかわりに関して執筆したそうだ。
 その話のなかで驚いたのは、原稿はすべてスマホで書き、電車のなかでもひたすら書いていたそうだ。
 彼はひとつのことに集中すると、周りの人や音などがまったく気にならなくなるという。
 これと同じようなことをいっていたのはアシュケナージである。やはり音楽家は集中力が違うのだろうか。
 このインタビューは、次号の「音楽の友」に書く予定になっている。
 今日の写真は、インタビュー後のワンショット。

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posted by 伊熊よし子 at 16:35 | 日々つづれ織り
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