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高木凛々子

 今回の「音楽の友」の「マリアージュなこの1本」のゲストは、ヴァイオリニストの高木凛々子である。
 彼女が指定したお店は、五反田の「ワインバー クインテット」。
 グレーが主体のとてもスタイリッシュな店内で、彼女は昨年から通っているそうだ。
 高木凛々子はヴァイオリンひと筋のストイックな生活を送り、「いまは恋愛もなし」というほどの練習魔。食べる時間と寝る時間以外は、すべて練習に費やし、一日10時間以上ヴァイオリンとともにあるという。
「ソロ、デュオ、室内楽、コンチェルト、コンサートマスターの仕事と、譜読みをしなくてはならない作品が目の前に山ほど。遊びにも行かないし、外食もほとんどしません」とサラリと話す。
 キュートなマスクからは想像できないほどの芯の強い性格で、幼いころからコンクールでも「絶対に優勝する」という強い意志をもって臨んだとか。
 この日は、大好きなおばあちゃんと一緒に取材に訪れた。おばあちゃんといって紹介されたが、とても若々しく、物静かでおだやかな感じの人だった。
 両親はともに読売日本交響楽団のヴァイオリニストゆえ超多忙で、何かあるとすぐにおばあちゃんに話を聞いてもらいに飛んで行くという。
 そんな彼女のヴァイオリンひと筋の姿勢を伝える記事にしたいと思う。
 今日の写真は、オーナーソムリエの渡部慶一郎さんと。

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posted by 伊熊よし子 at 22:03 | 日々つづれ織り

ベフゾド・アブドゥライモフ

 来日アーティストが増え、連日さまざまなコンサートが行われている。
 昨日はトッパンホールにベフゾド・アブドゥライモフのピアノを聴きに行った。
 アブドゥライモフは、1990年ウズベキスタンのタシケント生まれ。2009年にロンドン国際ピアノコンクールで優勝し、欧米で幅広く過活動を展開している。
 今回のリサイタルはトッパンホールに初登場、東京でのリサイタルも初めてとなる。
 プログラムは前半がフランク(バウアー編)のフーガと変奏曲作品18、ウズベキスタンの作曲家ディロロム・サイダミノヴァの古代ブハラの壁、ラヴェルの夜のガスパール。後半がラフマニノフの13の前奏曲より第5番、10の前奏曲より第5番、プロコフィエフのロメオとジュリエットからの10の小品。
 アブドゥライモフのピアノの特質は、深い打鍵に支えられた強靭なタッチ。だが、その奥にえもいわれぬ叙情的な美音が潜む。今回はトッパンホールの会場の広さに合わせ、かなり音量を抑制し、繊細さと弱音を駆使している箇所が見られた。
 おそらく大ホールで演奏するときは、思いっきり自身のもてる最大限の音の響きを発揮するのだろう。
 さまざまな作品を聴いたが、やはり最後のプロコフィエフがもっとも手の内に入った雄弁な音楽で、いずれの曲からも内容的な描写が絵画のように表現され、大きな絵巻物を見る思いに駆られた。
 今年33歳。これからいかようにも伸びていく、将来性を感じさせるアブドゥライモフ。次回はコンチェルトを聴いてみたい。

posted by 伊熊よし子 at 15:10 | 日々つづれ織り

マティス展

「20年ぶり、待望の大回顧展!」と題された「マティス展」が、4月27日から8月20日まで東京都美術館で開催されている。
 これがものすごい人気で、予約しないと入場できないほど。私もようやくチケットを手に入れ、5月12日に観ることができた。
 当日は金曜日ゆえ、20時まで開館しており、18時入館というチケットを入手した。
 アンリ・マティスは色彩と構図がすばらしく、いずれの絵も独特の個性に彩られていて、時間があればいつまでも眺めていたいほどの魅力を放っている。
 いまは、みんながスマホでパチパチ撮影している。私も少しだけ撮らせてもらった。

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 とりわけ印象的なのは、マティス生涯の再校傑作といわれる、ヴァンスのロザリオ礼拝堂の動画が観られること。一番最後の展示室の一角に小さなスペースが作られ、椅子にすわってゆっくりロザリオ礼拝堂の雰囲気を楽しむことができる。
 ロザリオ礼拝堂は、リヒテルが深く愛したところ。以前、フランスのマネジメントを務めていたというルネ・マルタンからその話を聞いた。以来、ぜひニースに足を運びたいと思っていた次第である。

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マティスの絵を観た後は、とても精神的に豊かな気分になり、脳が活性化した感じだ。
 私は美術館グッズが大好きで、今回はマティスの《オセアニア 空》のスカーフをゲット。これから夏にかけて、仕事に出かけるときは、いつもこのスカーフを巻いていきたいと思う。


posted by 伊熊よし子 at 23:10 | 日々つづれ織り
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