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宇田川貞夫

 先日、ヴィオラ・ダ・ガンバ奏者の宇田川貞夫のインタビューを行った。
 「音楽の友」の編集者Kさんと一緒に、戸塚にある彼のスタジオまで出向き、11月29日〜12月7日にかけて全国4カ所で開催されるヴィオラ・ダ・ガンバ リサイタルの話を聞いた。
 プログラムはテレマン、グラウン、タルティーニのコンチェルト。ヨーロッパなどから若き奏者が帰国して一堂に会し、弦楽合奏をバックにガンバがソロを披露する。これは、演奏活動60周年記念と名付けられている。
 その作品に関して、作曲家について、作品との出会いから楽器とのつながりまで、幅広い話を聞くことができた。
 音楽の話がひと段落した後、趣味の話に移り、宇田川さんが「そば打ち名人」であることが判明。
 お料理が大好きだそうで、イタリアンから中華、カレーまでなんでもござれ。このコンサートの前3日間は、みんなでスタジオにこもって合宿して演奏を仕上げるという。
「そのときは、事前にカレーをたくさん作っておくんですよ」
 若いアンサンブルのメンバーとの合宿について、実に楽しそうに話していた。
 今日の写真は、スタジオでの1枚。
「マラン・マレはこうやってガンバを弾いていたんだよ」などと冗談をいいながら、ポーズをとってくれた。

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posted by 伊熊よし子 at 22:32 | 日々つづれ織り

名倉誠人

 昨夜、東京文化会館小ホールに「名倉誠人 60マリンバ・リサイタルV」を聴きに行った。
 このリサイタルは「Aspirations:夢を追い続ける者」と題され、バッハの無伴奏作品の編曲版からスタート。フィリップ・ラサー、デイヴィッド・コンティのマリンバとピアノの作品(日本初演)と続き、最後はベンジャミン・C.S.ボイルの「天国への帯 マリンバとバリトンのための歌曲集」(世界初演)という構成である。
  以前、名倉さんにインタビューしたとき、彼は「マリンバはオリジナル作品が少ないため、いろんな作品の編曲版を演奏したり、現代の作曲家への委嘱を積極的に行っている」と語っていた。
 この日はプレトークもあり、名倉さんと作曲家のボイル氏が対談を行い、作品についてさまざまなことを語った。
 いつも演奏を聴いて思うことだが、名倉誠人のマリンバは1台でオーケストラのような多様性と多彩な音色に富み、響きがとても美しく、聴き手の心の内奥にスーッと浸透してくる。
 昨夜の演奏も、バッハから現代作品までそれぞれバチを変え、ピアノやバリトンとの共演にも合う奏法と表現力で一瞬たりとも弛緩しない緊迫感と、また野性的で人間の本能に訴えかける音を披露し、聴き手の心を虜にした。
 アンコールの最後に演奏された、プーランク「アッシジの聖フランチェスコの4つの小さな祈り」の編曲版がすばらしく心に響き、短い曲ながら音色がとても色彩感豊かだったため、私の脳裏には以前訪れたアッシジが蘇ってきた。
 今日の写真は、終演後の名倉誠人。赤のベストがステージに映えていた。

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posted by 伊熊よし子 at 23:57 | 日々つづれ織り

ウィンナートーンと共に日本酒を嗜む

 10月12日、ヤマハミュージック横浜みなとみらいで、ベーゼンドルファーのピアノを兼重稔宏が演奏し、獺祭を飲みながら音楽を楽しむという会が開催された。
 プログラムはシューマン「森の情景」より「森の入り口」「予言の鳥」、バッハ「フランス組曲第4番」より「アルマンド」「クーラント」「ジーグ」、ヤナーチェク「霧の中より第1番」、ブラームス「4つの小品集作品119より」第1番、第3番、ドビュッシー「月の光」、シューマン「トロイメライ」という構成。
 その各々の作品にイメージされた獺祭のお酒が供され、聴き手はピアノを聴きながらお酒を楽しむという趣向である。
 ピアニストの兼重稔宏、獺祭の桜井博志会長、ベーゼンドルファーの松元伸弥氏の3人のトークもあり、2時間にわたってウィンナートーンと日本酒の組み合わせを楽しんだ。
 当日のピアノは全世界に18台しかないという「カメリア」と名付けられたもので、ピアノ屋根の内側に象嵌細工が施されている。音は古雅な響きとみずみずしさが感じられ、ヨーロッパのサロンで聴いているよう。ウィーンから10日前に届いたそうだ。
 この公演レポートは、「音楽の友」に書く予定になっている。
 今日の写真は、そのときの様子。獺祭は以前、岩国まで取材に出かけたが、今回は甘酒や梅酒まで登場し、そのまろやかで口あたりのいい、熟成した味わいに驚いてしまった。
 桜井会長に「初めてこういう味の甘酒と梅酒を飲みました。すごいまろやかですねえ」というと、「そうでしょう。ようやくできた自信作なんですよ」と笑顔で答えてくれた。

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posted by 伊熊よし子 at 22:21 | 日々つづれ織り
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