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九州出張

 5月は2度の九州出張がある。
 11日から12日までは宮崎国際音楽祭に出かけ、18日から20日までは別府アルゲリッチ音楽祭と竹田市の関連公演の取材に行く予定になっている(音楽の友)。
 今日は金曜日ゆえ、週末の締め切りが重なっていたため、朝から一気にそれらを仕上げ、気がついたらもう夕方になっていた。
 明日の出張の準備もまったくしていなかったし、いろんなことをやらなくてはならず、いつもながらの出張前のドタバタ状態。
 明日は早朝に出かけなくてはならないから、今日中になんとかいろんなことを片付けておかないと…。
 というわけで、例によってやるべきことをメモに書き、ひとつずつ消去していく方法をとった。
 たった一泊とはいえ、出張となると着ていくものを考えるのが大変だ。
 飛行機のなかではリラックスしたいし、向こうに着いてからはまだホテルにチェックインできないため、あまり着替えをしたくない。そのままコンサートホールに向かうことになるから、ふだん着ではちょっと無理。
 こういうときに便利なのは、黒のパンツスーツ。インナーをちょっと工夫すれば、なんとかいろんな場所に適応する。
 さて、服装が決まったところで、履き替え用の靴とインナーをひとつ入れ、準備完了。
 原稿はひとつこぼれてしまったが、担当者に「月曜日に入稿します」と連絡を入れ、OKしてもらった。
 それでは、九州の写真をまた紹介しま〜す。

 
posted by 伊熊よし子 at 21:30 | 日々つづれ織り

金子三勇士

 金子三勇士は、デビュー当初からリストを弾き続けてきた。
 日本人の父とハンガリー人の母をもつ彼は、祖国の偉大な作曲家&ピアニストのリストを深く敬愛し、その作品の研究を重ね、いま新たな視点をもつ新譜を編み出した。
 題して「リスト・リサイタル」(ユニバーサル)。ここにはピアノ・ソナタ ロ短調、コンソレーション(慰め)第3番、《巡礼の年》第1年:スイスから「泉のほとりで」、メフィストワルツ第1番《村の居酒屋での踊り》、献呈《シューマンの歌曲による》が収録されている。
 先日、その新譜の話を聞くため、インタビューを行った。
 金子三勇士と会うと、いつもいろんな話題へと話が発展していく。もちろん「レコード芸術」のインタビューだったため新譜の話が中心で、各々の作品にまつわることからリストの作品論、選曲に関する話を聞いた。
 だが、金子三勇士の話術は非常に巧みで、ハンガリーでの生活やハンガリー語のこと、食生活まで、ハンガリー色が濃厚になり、とても有意義なひとときとなった。
 その日は、たまたま私が以前上海の素敵なお店で購入した、黒のニットの刺繍が施されたカーディガンを着ていた。すると彼が「伊熊さん、それハンガリー製ですか。今日のために着てきてくれたの。えっ、上海? 冗談でしょう。絶対、ハンガリーの刺繍ですよ。どこかでつながっているんでしょうね」
 こういって、しばしカーディガンの話に花が咲いた。
 今回のリストのアルバムは、金子三勇士が血で奏でているような自然体の演奏。もちろんいずれの作品も長年弾き続けているものだが、やはり祖国とは切り離せない感じだ。
 彼は、「いま、ピアノを弾くことがたまらなく楽しい。すごく充実しているんです」と、笑顔を見せた。
 写真は、そんな充実した表情を見せるワンショット。「充実している」と言い切ることができるのは、本当に幸せである。なるほど、いい表情しているもんね。

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posted by 伊熊よし子 at 22:33 | 日々つづれ織り

クリスティーヌ・ワレフスカ

 3月23日、オーチャードホールで「クリスティーヌ・ワレフスカ プレミアム・チェロ・リサイタル」が行われた。
 このコンサートに先立ち、公演告知のための原稿を書いたため、それを下記に記したいと思う。

[心奥に響く情熱的で生命力あふれるチェロの調べ]

 なんと躍動感にあふれ、情熱的で生き生きとしたチェロの響きだろうか。チェロは奏者が楽器を慈しむように抱え、心臓の近くで鳴らし、あたかもチェリストと楽器が二人三脚で音楽を紡ぎ出すように一体感に富む演奏を生み出す。ゆえに、「チェロは人間の声にもっとも近い音色を奏でる楽器」と称される。
 かつてクラウディオ・アラウが「世界最高のチェリスト」と呼び、1970年代にはジャクリーヌ・デュ・プレと並び称されたクリスティーヌ・ワレフスカは、チェロで喜怒哀楽の感情を表現し、生命のすばらしさをうたい上げる。その演奏は19世紀の巨匠的な深遠さと存在感を放ち、聴き手の心奥に響いてくる。
 ワレフスカはエニオ・ボロニーニの秘曲の演奏を許された稀有な存在。音楽は一期一会の愉悦のときを生み出す。ワレフスカを聴く―それはチェロを通して彼女の生き方を感じ、作品に肉薄し、音楽のすばらしさに酔うこと。まさに彼女のチェロは魂の歌だから。
 
 当日のプログラムは、前半がクープランの「演奏会用商品」、プロコフィエフのチェロ・ソナタ、後半がボロニーニの「アダージョ」「アヴェ・マリア」、ブラガートの「チャカレーラ」、ピアソラの「アディオス・ノニーノ」「天使の死」「オブビリオン」、ショパンの「序奏と華麗なるポロネーズ」。
 ワレフスカはロサンゼルス生まれ。13最でグレゴル・ピアティゴルスキーに師事し、その後パリでモーリス・マレシャルに師事している。世界各地で演奏活動を展開していたが、結婚後は南アメリカに移り、商業主義に振り回されることを嫌って地道な活動を展開していた。
 それゆえ、なかなか来日公演も実現せず、初来日は1974年。その後、36年のブランクを経て2010年に日本ツアーを行っている。今回は久しぶりの日本公演で、心を許すピアニスト、福原彰美との共演がかなった。
 やはりボロニーニの作品がもっとも印象的で、初めて聴く作品だったが、どこかなつかしく、心の奥に訴えかけるものがあり、もっといろんな作品を聴きたいという思いが募った。
 今日の写真はプログラムの表紙。CDは、「クリスティーヌ・ワレフスカの芸術」と題するアルバムがリリースされている。

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posted by 伊熊よし子 at 22:23 | 日々つづれ織り
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