2018年08月22日
松下敏幸さん
クレモナには、現在登録されている弦楽器制作者が150人ほどいるが、そのなかで日本人は8人だそうだ。
なかでも著名なのは、1982年からクレモナに在住して工房を構え、数々のコンクールで賞に輝いている松下敏幸さんである。
今回は松下さんの工房におじゃまし、その制作過程や工具、材料などを拝見し、さまざまなお話を伺った。
彼はストラディヴァリ時代の古い楽器を研究し、古いレシピの分析を行い、自ら調合するオイルニスを使用している。このオイルニスは、亜麻仁油を煮詰めて西洋茜で色素を作るなど、すべて手作り。それを何度も楽器に塗っては乾かし、時間をかけて制作していく。

膨大な時間と忍耐を要するこの制作、年にヴァイオリンの場合3挺作るのが限界だそうだ。
松下さんの話はとても情熱的で、楽器作りに命を賭けている感じ。ひとつのことに魂を傾ける大切さを教えてくれる。
工房は古い石造りの堅牢な建物のなかにあり、夕方訪れたときに高い窓から光が射し込み、美しい光彩を放っていた。

部屋には何年も寝かせている木材が数多く積み上げられ、いまかいまかと楽器として完成するのを待っている。ありとあらゆる道具も所狭しと並べられ、ひたむきに仕事に打ち込む職人の技を垣間見る思いに駆られた。


その工房のすぐ裏手に古い教会があり、その壁画がすばらしく感動的だった。アントニオ・ストラディヴァリの時代の名士たちが描かれているのだが、後列左から4人目の、人のうしろに隠れるようにしてシャイな表情を見せているのがストラディヴァリその人だという。
クレモナは本当に奥深い街である。たった数日間の滞在だったが、記憶に残る多くのことに出合えた。

なかでも著名なのは、1982年からクレモナに在住して工房を構え、数々のコンクールで賞に輝いている松下敏幸さんである。
今回は松下さんの工房におじゃまし、その制作過程や工具、材料などを拝見し、さまざまなお話を伺った。
彼はストラディヴァリ時代の古い楽器を研究し、古いレシピの分析を行い、自ら調合するオイルニスを使用している。このオイルニスは、亜麻仁油を煮詰めて西洋茜で色素を作るなど、すべて手作り。それを何度も楽器に塗っては乾かし、時間をかけて制作していく。
膨大な時間と忍耐を要するこの制作、年にヴァイオリンの場合3挺作るのが限界だそうだ。
松下さんの話はとても情熱的で、楽器作りに命を賭けている感じ。ひとつのことに魂を傾ける大切さを教えてくれる。
工房は古い石造りの堅牢な建物のなかにあり、夕方訪れたときに高い窓から光が射し込み、美しい光彩を放っていた。
部屋には何年も寝かせている木材が数多く積み上げられ、いまかいまかと楽器として完成するのを待っている。ありとあらゆる道具も所狭しと並べられ、ひたむきに仕事に打ち込む職人の技を垣間見る思いに駆られた。
その工房のすぐ裏手に古い教会があり、その壁画がすばらしく感動的だった。アントニオ・ストラディヴァリの時代の名士たちが描かれているのだが、後列左から4人目の、人のうしろに隠れるようにしてシャイな表情を見せているのがストラディヴァリその人だという。
クレモナは本当に奥深い街である。たった数日間の滞在だったが、記憶に残る多くのことに出合えた。
posted by 伊熊よし子 at 23:37
| 麗しき旅の記憶