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クレモナの弦楽器製作アカデミー

 今回クレモナの取材では、国立の弦楽器製作学校ではなく、新しくできたという私立の弦楽器製作アカデミーを訪ねることができた。
 ここはアジアからの生徒も多く学んでいて、みな熱心に製作に励んでいた。
 教えている先生たちも、実力派ぞろい。クラシカルな製作方法にのっとり、そこに新たな技術をプラスしている。まさに伝統と革新を感じさせるものだった。
 作業の工程を見学させてもらったが、非常にこまかく根気のいる仕事で、かなりの時間と忍耐を必要とする。本当に好きでなければ、続かない仕事だと思った。
 このアカデミーは大きな古い石造りの建物を借りていて、広い中庭もあり、とても静かな環境だった。
 今日の写真は、出来上がったヴァイオリンを試奏している学生。部屋の外から写真を撮らせてもらったが、窓から光が入り、一幅の絵のようで、扉が額縁のように見えた。彼は、J.S.バッハの無伴奏作品の一部をひたすら弾き続けていた。

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 もう1枚は、アカデミーの外観。今回はこうした石造りの建物をいくつも見たが、みんな多少暑くても冷房はほとんどつけず、窓を開けて自然な空気のなかで作業をしたり、生活をしていた。

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posted by 伊熊よし子 at 22:25 | 麗しき旅の記憶

クラウディオ・モンテヴェルディ

 クレモナは初期バロック音楽最大の作曲家として知られ、歌劇「オルフェオ」を残したクラウディオ・モンテヴェルディ(1567〜1643)の生地である。彼はクレモナ大聖堂の聖歌隊員になり、のちにマントヴァのゴンザーガ侯爵家の楽長となり、やがてヴェネツィアのサン・マルコ大聖堂の楽長となった。
 現在のクレモナには、モンテヴェルディゆかりの場所はそう多く残されているわけではない。
 今回の出張で、私は数少ない足跡を辿ろうと、取材の合間の自由時間を利用して、聖アボンディオ教会を訪れた。ただし、平日の昼間は扉が閉まっていて、中には入れない。
 イタリア語の通訳&コーディネーターを務めてくれたIさんが神父さまにかけあってくれ、長時間待たされたが、ようやくだれもいない内部に入ることができた。

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 その教会には、モンテヴェルディの洗礼盤と洗礼簿があるはずだった。しかし、すぐには見せてもらえない。じっくり待っていると、鍵をジャラジャラいわせて教会の番人が入ってきて、洗礼盤の扉を開けてくれた。

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 神父さまは、私があまりにも感動していたため、「じゃ、内部も見せてあげようか」といって、洗礼盤のふたを開けて中を見せてくれた。この中に聖水を入れるのだそうだ。モンテヴェルディは1567年5月にその洗礼を受けている。

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 やがて神父さまの後について中庭を経由して別の建物の上の階に上がると、また大きな扉があり、特別にそこを開けてくれた。
 そこにはガラスで覆われたケースがあり、モンテヴェルディの洗礼簿が保管されていた。上から2番目に、「モンテヴェルディ」の文字をはっきり見ることができる。

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 この間、わずか15分ほど。だが、私にはとても長い時間に感じられた。まるで16世紀にタイムスリップしたようで、モンテヴェルディの時代にいざなわれたような感覚にとらわれたからである。
 最初、だれもいない暗い教会に入った途端、33度を越す外気からひんやりした空気のなかに突然迷い込み、とまどいを隠せなかったが、神父さまが「エミーリオ!」と大きな声で呼び、番人が腰にぶらさげた鍵の束をジラジャラいわせて入ってきたときは、まるで「トスカ」の冒頭のシーンのようだと錯覚してしまった。
 このほか、モンテヴェルディの像を巡ってあちこち散策した。残されている資料で見る顔に似ている像もあれば、現代的にデフォルメされた像もあった。

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posted by 伊熊よし子 at 21:57 | 麗しき旅の記憶

アントニオ・ストラディヴァリ

 クレモナは、歴史に名を残すアマティ、グァルネリ、ストラディヴァリをはじめとする偉大なヴァイオリン製作者を輩出した町だが、今回の取材はアントニオ・ストラディヴァリを中心とするものである。
 街にはいたるところに像やゆかりの場所が残され、ひとつずつ巡っていくと、次第にストラディヴァリその人が身近に感じられるようになってくるから不思議だ。
 やはり17世紀から変わらぬ街並みが、そういう感覚を抱かせるのだろう。
 今日は、ストラディヴァリの像の写真を紹介したい。まず、市立博物館(ストラディヴァリ博物館)の前の広場に立つ像から。緑に囲まれた場所に立つ像は、とても美しく凛とした顔立ちで、存在感を放っている。

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 続いて、街の中心に位置するレストランやカフェが並ぶ通りに立つ像。これは先の面立ちとはちよっと異なっている。

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 最後は、ストラディヴァリが夫人と過ごした家の前にある座像。実物大よりも少し大きめで、結構リアルな表情を見せている。

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 クレモナは世界各地から音楽好き、弦楽器好きのファンが押し寄せ、今回もいろんなところでスイスやドイツや日本から訪れた観光客に出会った。みんな33度を超す暑さと、まっすぐに降り注いでくる強烈な陽光にもめげず、街歩きを楽しんでいた。音楽ファンは元気だよねえ(笑)。
 
 
posted by 伊熊よし子 at 22:19 | 麗しき旅の記憶
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