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前田妃奈&久末航

 2月20日、東京文化会館小ホールで、ヴァイオリンの前田妃奈とピアノの久末航のリサイタルが行われた。
 先週は連日インタビューや取材に追いまくられ、心身ともに疲弊していたため、このデュオ・リサイタルは私にとってひとときのリラックスタイムであり、心が癒される時間として、とても楽しみしていた。
 ところが、冒頭のプーランクの「ヴァイオリンとピアノのためのソナタFP.119」から、両者の演奏はとてつもないエネルギーと推進力に満ちあふれ、スピード感もハンパではなく、癒されるどころではない。
 次いでストラヴィンスキーの「ディヴェルティメント バレエ音楽《妖精の口づけ》よりS.ドゥシュキン編曲)が登場し、歌って飲んで踊りあかそうとばかりに激しい演奏に、まさに脳が覚醒してしまった。
 後半は、ほとんど演奏される機会のないペリオの「バレエの情景」からスタート。初めて聴くストーリー性豊かな曲に新たな面を見出し、前田妃奈と久末航の見事な音の対話に酔うことができた。
 最後は有名なフランクのヴァイオリン・ソナタ。これもふたりにかかると、有名な作品に自分たちならではの個性と解釈を盛り込み、ふたりの音がひとつの音になるような見事なまでのコミュニケーションを聴かせ、たっぷりと作品の深さを味わうことができた。
 前田妃奈は、いつ聴いてもエネルギー全開だ。久末航は、いずれの曲も彼らしい透明感ある美音と成熟した解釈、さらに響きに特有の温かみがあり、魅了される。
 仕事で疲れ切っていた週末の夜、ゆったりと音楽に包み込まれることができた。
posted by 伊熊よし子 at 22:02 | クラシックを愛す
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