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スイス・ロマンド管弦楽団

 7月9日、サントリーホールでジョナサン・ノット指揮スイス・ロマンド管弦楽団のコンサートが行われた。
 プログラムは、ミカエル・ジャレル(1958〜)のドビュッシーによる3つのエチュード」からスタート。スイス・ロマンド管の色彩感豊かな音色がホール全体に広がっていく。
 私がスイス・ロマンド管の取材をしたのは、もうかなり前のこと。アルミン・ジョルダンが首席指揮者を務めていた時代である。彼はインタビューのなかで、「いま息子が指揮者としていい仕事をしていて、近い将来、重要なポストに就くと思うよ」と話していたのを思い出す。
 フィリップ・ジョルダンが来日したとき、その話を伝えると、「えーっ、本当。父がそんなことをいっていたの」と驚き、すぐににこやかな笑顔を見せた。
 そんなことを思い出しながら聴いていると、ソリストのHIMARIが登場。シベリウスのヴァイオリン協奏曲の演奏か始まった。彼女の類まれなる集中力と作品のなかに一途に入り込んでいく姿勢が、ホールを埋め尽くした聴衆全員をくぎ付けにし、一瞬たりとも目と耳が離せない。
 この引力の強さはいったい何だろうか。私はヴェンゲーロフの初来日のときの衝撃を思い出していた。
 オーケストラとの一体感も特別で、才能の豊かさを感じさせる。
 後半はこのオーケストラが得意とするストラヴィンスキー「春の祭典」でオケの底力が爆発。ジョナサン・ノットの指揮はスイス・ロマンド管の特質を存分に際立たせるもので、各々の楽器から雄弁な歌を引き出すことに成功していた。
 アンコールは、HIMARIがイザイの「無伴奏ソナタ」第6番、オケはラヴェルの「マ・メール・ロワ」より「妖精の園」。
 もうひとつ思い出したことがある。以前の取材時に、オケの担当者がアンセルメのものすごく大きなポスターをプレゼントしてくれた。だが、入れる筒などはないため、くるくると丸めて渡してくれたのだが、これを飛行機のなかで傷つけないようにもって帰るのが大変だった。いまは仕事部屋にケースに入れて、飾ってある。これを見るたびに、オケの本拠地ヴィクトリアホールの壁面を飾っているアンセルメの大きな肖像画を思い出す。
posted by 伊熊よし子 at 22:52 | クラシックを愛す
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