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田中彩子

 コロラトゥーラ・ソプラノの田中彩子とは、彼女がデビュー以来のおつきあいである。
 今日は「音楽の友」の「マリアージュなこの1本」のページに出演してもらうことになり、行きつけのお店に伺った。
 場所は永田町の駅からすぐのフレンチ・レストラン「Noeud. TOKYO」。彼女は数年前から通っているそうだ。
 このお店の女性オーナーは、フードロスに対する考えやからだによいことをモットーに、食材の無駄を極力省き、すべてが自然に働くことをコンセプトにしているそうで、その考えに共鳴したという。
 田中彩子は、私のことを「よし子さん」と呼んでくれる。名前で呼ばれると、とても親近感が涌き、私も「田中さん」ではなく、「彩子さん」と呼んでいる。
 彼女は2023年4月に「プレイコロラトゥーラ」(エイベックス)と題した新譜を録音。そのときには「CDジャーナル」でインタビューをし、さまざまな曲目について詳細を聞いた。
 このアルバムに連動したコンサートも開き、それも聴きに行った。
 音楽もそうだが、性格も常に前向き。いつもその姿勢に触発され、元気をもらうことができる。
 彩子さんは、もう22年間ウィーンで暮らしている。当初は、部屋代を払うことにも事欠いた生活で、高いシャンプーではなく一番安いシャンプーを買って、差額をパン代に回したという。
 そんな苦難の時代の話も、いまはサラリと話す。
「私はいつも教会に救われました。明日はどうしようと思い悩んでいると、教会からうたってほしいと依頼が入り、それに助けられたのです。ですから、いまはいろんな曲をうたいますが、私の原点は教会音楽です」
 今日の写真は、シェフの中塚直人さんとのツーショット。彼女は大変な酒豪で、テキーラから熊本の球磨焼酎までなんでもごされ。球磨焼酎は、蔵元まで訪ねて行ったほどの入れ込みようだ。
 ただし、今日は上質なワインの登場。鹿肉のお料理だった。
 彩子さんはブエノスアイレスで毎年のようにうたっているが、かの地の26歳以下の若手音楽家を集めたホセ・デ・サンマルティン国立青少年オーケストラのプロデューサーを務め、このオケは8月に来日する予定になっている。社会貢献にも積極的にかかわる姿勢は、本当にすばらしい!!

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posted by 伊熊よし子 at 21:09 | 日々つづれ織り
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