2024年02月22日
ラファウ・ブレハッチ
ラファウ・ブレハッチの演奏は、日々のストレスを忘れさせてくれ、あたかも魂が浄化されるような気分になる。
今日は東京オペラシティコンサートホールでリサイタルがあり、ブレハッチはオール・ショパン・プログラムを組んだ。
前半はマズルカ作品41、50、56、63、24が続けて登場。後半はピアノ・ソナタ第2番「葬送」という構成である。
マズルカは、ショパン・コンクールを受ける人の多くが「難しい」と語る作品である。ポーランド人でも、その特有のリズムと音の立ち上がり、間の取り方、舞踊の要素の理解が困難で、なかなか的確な演奏ができないという。
今夜のブレハッチのマズルカは、いずれも誠実で率直で飾り気がなく、自然体。「マズルカ」とはこういうものだという説得力のある演奏だった。
しかし、ブレハッチはそれをけっして声高に叫んだり、強音で表現したりせず、弱音の美しさで勝負する。
ショパン・コンクールのときは、彼が演奏すると、審査員席のほとんどの人が次々に涙を流していった。その光景はいまでも私の脳裏にしっかりと刻み込まれている。私もウルウルしていたからだ。
今日のマズルカも、つい涙がこぼれそうになるほど、上質な美しさと繊細さと気高さがあふれていた。
もちろん、後半のソナタ第2番もブレハッチの長年の研究と努力と練習の賜物で、ひとつひとつの音があるべき姿でそこに存在し、この作品の奥深さを知らしめる。
ここしばらく仕事が立て込んでいて、のどの調子もよくなく、体力と気力が落ちていたが、ブレハッチのショパンを全身で受け止めることにより、心身が覚醒したというか、一気に力が涌いてきた。
ラファウ、ありがとう!!
まだ2月なのに、すでに今年のコンサート・ナンバーワンが決まった感じ(笑)。これを超える演奏に出会えるかな…。
posted by 伊熊よし子 at 23:35
| マイ・フェイバリット・ピアニスト


