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ハイオウ・チャン

 最近、アジア系の音楽家の取材が増えている。
 先日、中国出身で、現在はドイツ在住のピアニスト、ハイオウ・チャンのインタビューを行った。
 彼は多くの音楽家がそうであるように、コロナ禍でコンサートがなくなってしまったなかで「何をするべきか」を模索し、ベートーヴェンとJ.S.バッハの音楽を研究し続けたという。
 そして「私の2020年」と題したアルバムを作り上げた。
 ここにはベートーヴェンのピアノ・ソナタ第30番、第32番からバッハの作品までを収録(キングインターナショナル)。
  その話を中心に、ドイツでの生活、各地での演奏について、今後の抱負までさまざまなことを聞くことができた。
 実は、インタビューの部屋に入ると、テーブルの上にハイオウ・チャンのとても素敵な帽子が置いてあった。
 その帽子を褒めると、「私のステージ衣裳や日常着は、イタリアの老舗テーラーの熟練の職人さんが作ってくれるんです。私のファンだといって、とてもていねいに仮縫いもしてくれる。その人がコロナで亡くなってしまい、とてもショックを受けました。彼か作ってくれたステージ衣裳は、心臓にあたる部分に隠されたボタンが縫い付けてあるんです。私の演奏を見守ってくれるというわけです」といって、帽子もイタリア製だといっていた。
 この記事は、次号の「intoxicate」に掲載される予定である。
 今日の写真は、帽子をかぶったものとかぶらないものの2枚。とてもスリムで、ビシッと着こなしたスーツがよく似合っていた。

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posted by 伊熊よし子 at 22:20 | 日々つづれ織り
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