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藤田真央

  若きピアニストの藤田真央のインタビューは、いつも心が温かくなる感じだ。
  今日は「音楽の友」の「ショパン特集」の電話インタビューを行い、ショパンに関すること、近況などをいろいろ聞くことができた。
  真央さんは、ショパンのピアノ・ソナタ第3番をチャイコフスキー国際コンクールで演奏し、大絶賛を博した。
  いつもはゆったりと話している彼が、その話題となると一気にテンションが上がり、早口になった。
「私は、ショパンのピアノ・ソナタ第3番はすごくうまいんですよ」と、自画自賛しながらケラケラ笑っている。
  本当に、陽気で楽しくて、人に好かれるものをもっている人である。
  若手ピアニストに話を聞くと、ほとんどの人が「ショパンは命」「ショパンは大好き」「一生弾いていきたい」と答えるが、真央さんは「ショパンはあまり弾かないし、そんなに向いていない」と明言する。
 「そんなこといっていいの?  そのまま書いちゃうけど」というと、「いいよ―、本当のことだから」と屈託がない。
  こういうピアニストがいるとかえっておもしろいし、読者も本音トークで興味深いんじゃないかな。
  彼はチャイコフスキー・コンクール後からゲルギエフに信頼され、ヨーロッパでのコンサートが目白押し。この夏も、ヴェルヴィエ音楽祭に呼ばれ、モーツァルトのピアノ・ソナタ全18曲を何日間かに分けて演奏するそうだ。
  「そのコンサートの間に、5日間オフの日があったんだけど、ゲルギエフに急にバーデンバーデンに行けといわれ、コンチェルトで共演することになってしまった。本当にタイトなスケジュールなんですよ」と、苦笑い。
  若き逸材は、まさに引っ張りだこの人気者である。
  さらに新たなレコーディングも決まったそうで、こちらも楽しみだ。
  世界にはばたく藤田真央、そのことばから元気をもらうことができた。




posted by 伊熊よし子 at 22:43 | 日々つづれ織り
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