2021年05月08日
舘野泉
以前の「音楽の友」のコラムに、セヴラックのことを書いた。
フランスの作曲家デオダ・ド・セヴラック(1872〜1921)は今年没後100年、来年生誕150年を迎える。郷里ランドック地方の伝統音楽に根付いた作品を残し、ドビュッシーから「よい香り、土の薫りのする素敵な音楽」と称されている。
スペイン貴族の血を引くセヴラックは南仏の豊かな自然を愛し、最後の10年間はカタルーニャに移り住んだ。ピアノ曲は「大地の歌」「ランドック地方にて」「セルダーニャ」が代表作で、セヴラックをこよなく愛す舘野泉が録音している。
目を閉じて演奏に耳を傾けると作品が生まれた土地へと心は飛翔していく。記念の年にセヴラックに親しむ―それは心におだやかな風を取り込み、自分の内面と静かに向き合う大切さを知ること。
この記事を書いた後、「日経新聞」にセヴラックのことを書きたいと思い、館野泉にインタビューを申し込んだ。
舘野さんには昔からさまざまな話を聞いているが、セヴラックに関してのインタビューは初めて。ご自宅に伺い、セヴラックの音楽との出合い、その音楽の魅力、セヴラック協会発足のこと、セヴラックの住んだ村を訪れたときのこと、長年夢見た録音のことなど、幅広い話を聞くことができた。
今日の写真はインタビュー後のワンショット。
posted by 伊熊よし子 at 22:39
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