ブログ

中村太地

 先日インタビューを行い、さまざまな話を聞いた、2017年ブラームス国際コンクール優勝のヴァイオリニスト、中村太地。
 彼が9月29日サントリーホールで、「3大Bプロジェクト」と題するリサイタルを開いた。
 オープニングはJ.S.バッハのヴァイオリンとハープシコードのためのソナタ第4番。共演のピアニスト、江口玲と密度濃い音の対話を繰り広げていく。
  次いで、ベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ第9番「クロイツェル」が登場。この作品は、もう何度もさまざまなヴァイオリニストとピアニストで聴いてきたが、そのつど作品のすばらしさに心打たれる。  
  今回も、中村太地のみずみずしい音色と、若々しいエネルギー、ピアノとのはげしい掛け合いが全編を彩り、聴き手をベートーヴェンの奥深い部分へといざなっていく。
  後半は、ブラームスのヴァイオリン・ソナタ第1番「雨の歌」。ブラームス国際コンクールの覇者としての真価を発揮するぺく、全身全霊を傾けた演奏を行い、ブラームスの深々とした内省的で情感豊かな曲想をゆったりと紡いでいく。
  ただし、ヴァイオリンとピアノのデュオを聴くには、サントリーホールはちょっと大きすぎる感じだ。もう少し小さなホールの方が、両楽器のこまやかなニュアンスを聴き取ることができる。
  この公演評は、次号の「モーストリー・クラシック」に掲載される予定である。
  今日の写真は、終演後のまだ湯気が立っているような中村太地。今後は、ブラームスのヴァイオリン・ソナタ全3曲を、親密的なホールで聴きたいと願う。すでに録音はデビューCDとしてリリースされている(ビクター)。

y3415_R.JPG

posted by 伊熊よし子 at 22:23 | クラシックを愛す
CATEGORIES
ARCHIVES
LINKS
PROFILE
検索ボックス