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エリソ・ヴィルサラーゼ

 エリソ・ヴィルサラーゼの演奏は、いつ聴いても、どんな作品を聴いても、深い感動が心に残る。
 11月27日にはすみだトリフォニーホールでリサイタルがあり、前半は彼女が得意とするシューマンの「6つの間奏曲」と「ダヴィッド同盟舞曲集」が演奏された。
 何も引かない、何も足さないということばがピッタリで、あるべき音がそこに存在し、シューマンの作品の神髄がひたひたと胸に押し寄せてくる。
 なんという謙虚で純粋で高潔なピアニズムだろうか。
 ヴィルサラーゼはインタビューでも、音楽と対峙する真摯な姿勢をことばを尽くして話してくれるが、演奏もまた揺るぎなく凛としたもので、姿勢を正したくなる。
 後半はオール・ショパン。バラード、ワルツ、ノクターンなど全11曲を休みなく続けて演奏し、余分なものが何もないシンプルな美を放つショパンの世界へと聴き手をいざなった。
 こういうリサイタルは、本当に心に響くものである。何日たっても感動の泉は枯れず、いまだ美しく透明感あふれる水がこんこんと湧き出てくる感覚にとらわれる。
 もうすぐ、2018年のコンサート・ベストテンの原稿の締め切りがやってくる。今年も、もうそういう時期になったのだ。ヴィルサラーゼは、当然のことながらこのなかに入る。あとはどれを選ぼうかな。
posted by 伊熊よし子 at 23:27 | クラシックを愛す
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