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横山幸雄

 ピアニストの横山幸雄とは、長年のおつきあいである。
 彼がまだパリ音楽院の学生だった17歳のころ、デファンスの学生寮に取材に行ったのが最初。初めてのインタビューでは話がうまくかみ合わず、大喧嘩になったのも、いまとなってはよい思い出である。
「ええーっ、喧嘩したっけ? 僕はそうとは思わなかったけどなあ」
 いいえ、私はちゃんと覚えていますよ。同行したパリ在住のカメラマンが、ふたりの剣幕に恐れおののいて、壁に張り付き状態になっていたもんね。
 その後、この喧嘩が功を奏して、彼はなんでも話してくれるようになった。
 その横山幸雄が2019年3月に「東芝グランドコンサート2019」のソリストとして、ファビオ・ルイージ指揮デンマーク国立交響楽団と共演することになった。
 昨日はその話を聞きに、彼の経営する広尾のレストランに出向いた。
 曲目はベートーヴェンのピアノ協奏曲第5番「皇帝」である。横山は3月初旬にデンマークに行き、同指揮者&オーケストラと初共演を行う予定となっている。
「デンマークは初めて訪れるんですよ。指揮者もオーケストラも初めての共演、とても楽しみですね」
 このインタビューは、来日公演のプログラムに書くことになっている。
 話は「皇帝」からどんどん広がり、ベートーヴェンのこと、ショパンのこと、これまで行ってきた長時間におよぶコンサートのこと、今後の計画まで、リラックスしながら話してくれた。
 今日の写真は、レストランの2階で写したもの。自宅のようなものだから、自然体の雰囲気がただよっている。

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posted by 伊熊よし子 at 23:30 | 親しき友との語らい
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