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ベルリンのレストラン

 海外出張はとてもスケジュールがタイトで大変だが、その土地の食文化に触れるチャンスが多い。お料理が大好きな私は、ランチやディナーがいつも楽しみ。
 先日のベルリン出張では、旧東ドイツ側の老舗のレストランを訪ねることができた。

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 ここは外観も内装も当時の様子をいまに伝え、タイムスリップしたよう。非常に静かな場所に位置し、予約を入れて訪れるお客さまたちも、上品で物静か。食事中に声高に話したりしない。
 お料理はお肉の煮込みやシュニッツェルのようなもの、ステーキやお魚のグリルのようなものが主体で、ポテトが山ほど付いてくる。まさに、ドイツ料理である。
 印象的だったのは、お料理よりもお店に流れる空気。飾ってあるものも、ビールをつぐ機械も、絵や写真も旧東ドイツをほうふつとさせる。

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 私は、まだ壁が崩壊する前の旧東ドイツを訪ねたときのことを思い出し、しばし感慨に浸った。
 ここに座っているだけで、外の景色を眺めているだけで、なんだか歴史をさかのぼっているような感じ。旅というのは、ある風景を目にすると、一瞬にして以前の記憶が蘇ってくるものである。

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 1987年、私はフランスからやってきたカメラマンとふたりで、J.S.バッハの足跡をたどる旅をした。旧ベルリンから徐々に南下し、ワイマール、ライプツィヒ、アイゼナハまで回った。
 その後、壁が崩壊してからまたバッハの取材を行ったが、それぞれの町の変貌に目を見張ったものだ。開発が進み、近代化がなされ、町は一気に都市化していった。
 でも、私は最初に訪れたときの旧東ドイツの空気を忘れることはできない。
 今回、このレストランで食事をし、ひとり静かに思い出をかみしめた。
 
posted by 伊熊よし子 at 18:34 | 美味なるダイアリー
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