2017年10月04日
アンナ・ネトレプコ
「世界のディーヴァ(歌の女神)」と称されるソプラノのアンナ・ネトレプコが、夫君のテノール、ユシフ・エイヴァゾフとともに、スペシャル・コンサートを開いた(10月3日、東京オペラシティコンサートホール、ミハイル・タタルニコフ指揮東京フィル、ゲスト:エルチン・アジゾフ バリトン)。
プログラムは前半がヴェルディのオペラからネトレプコ、エイヴァゾフ、アジゾフの各々のソロ、デュオなどで、ネトレプコは冒頭から「マクベス」の「勝利の日に?来たれ、急いで」をうたい、パワー全開。
力強く、豊かな声量と深い表現力を発揮し、圧巻の歌唱力を披露した。
後半はプッチーニ、ジョルダーノ、リムスキー=コネサコフにレハールが加わり、多彩な選曲となり、「トゥーランドット」の「この宮殿の中で」をオペラシティのステージ後方の2階に立ってうたうというサプライズを見せ、拍手喝采と「ブラヴォー」を浴びた。
ネトレプコの声はしなやかで光沢のある、輝かしいベルベットのようである。色彩感に富み、鍛え抜かれたテクニックを存分に生かし、オペラの役になりきる。その奥には、えもいわれぬ女らしさとかわいらしさが見え隠れする。
彼女はいまやオペラ界を代表するディーヴァとなったが、常に親密感を抱かせる存在である。
もうかなり昔のことになるが、指揮者のワレリー・ゲルギエフが、デビューしたばかりのネトレプコを連れて来日したときのことを思い出す。そのときは立食パーティのようなスタイルの食事会が行われ、そこで若きネトレプコとほんの少しだけ話を交わした。
というのは、真夏だったため、私は素足にスペイン製のミュールを履いていた。するとネトレプコが「あなたのサンダル、いいわねえ。どこで買ったの?」と聞いてきたのである。「スペインで」と答えると、「あらあ、日本じやないの、がっかり。お店を教えてもらおうと思ったのに」と、残念そうな顔をしたのである。
まだいまのような貫禄はなくスリムで、気さくな感じだった。
あれからずいぶん時が経ち、ネトレプコは堂々たる体格になり、女王のような風格がただよう、まさにディーヴァとなった。感無量である。
今日の歌では、リムスキー=コルサコフの「皇帝の花嫁」から「イヴァン・セルゲーヴィチ、庭に行きましょう」が、ネトレプコの成熟度を存分に表現し、声は透明感にあふれ、演技力も伴い、聴きごたえ十分な1曲となった。
今日の写真は、コンサートのチラシ。

プログラムは前半がヴェルディのオペラからネトレプコ、エイヴァゾフ、アジゾフの各々のソロ、デュオなどで、ネトレプコは冒頭から「マクベス」の「勝利の日に?来たれ、急いで」をうたい、パワー全開。
力強く、豊かな声量と深い表現力を発揮し、圧巻の歌唱力を披露した。
後半はプッチーニ、ジョルダーノ、リムスキー=コネサコフにレハールが加わり、多彩な選曲となり、「トゥーランドット」の「この宮殿の中で」をオペラシティのステージ後方の2階に立ってうたうというサプライズを見せ、拍手喝采と「ブラヴォー」を浴びた。
ネトレプコの声はしなやかで光沢のある、輝かしいベルベットのようである。色彩感に富み、鍛え抜かれたテクニックを存分に生かし、オペラの役になりきる。その奥には、えもいわれぬ女らしさとかわいらしさが見え隠れする。
彼女はいまやオペラ界を代表するディーヴァとなったが、常に親密感を抱かせる存在である。
もうかなり昔のことになるが、指揮者のワレリー・ゲルギエフが、デビューしたばかりのネトレプコを連れて来日したときのことを思い出す。そのときは立食パーティのようなスタイルの食事会が行われ、そこで若きネトレプコとほんの少しだけ話を交わした。
というのは、真夏だったため、私は素足にスペイン製のミュールを履いていた。するとネトレプコが「あなたのサンダル、いいわねえ。どこで買ったの?」と聞いてきたのである。「スペインで」と答えると、「あらあ、日本じやないの、がっかり。お店を教えてもらおうと思ったのに」と、残念そうな顔をしたのである。
まだいまのような貫禄はなくスリムで、気さくな感じだった。
あれからずいぶん時が経ち、ネトレプコは堂々たる体格になり、女王のような風格がただよう、まさにディーヴァとなった。感無量である。
今日の歌では、リムスキー=コルサコフの「皇帝の花嫁」から「イヴァン・セルゲーヴィチ、庭に行きましょう」が、ネトレプコの成熟度を存分に表現し、声は透明感にあふれ、演技力も伴い、聴きごたえ十分な1曲となった。
今日の写真は、コンサートのチラシ。