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アンドレア・シェニエ

 昨年インタビューしたウルグアイ出身のソプラノ、マリア・ホセ・シーリが、新国立劇場のジョルダーノ「アンドレア・シェニエ」に出演している。
 今日は初日で、同じくウルグアイのテノール、カルロ・ヴェントレがアンドレア・シェニエをうたい、ジェラールはイタリアのバリトン、ヴィットリオ・ヴィテッリがうたった。
「アンドレア・シェニエ」は、難曲中の難曲といわれ、主役3人の実力派をそろえるのが難しいためか、日本では上演される機会に恵まれているとはいえないオペラだ。 
 今日は主役3人が持ち味を出し切ったが、やはりマリア・ホセ・シーリのマッダレーナが圧巻だった。
 彼女は以前のインタビューで、共演者も指揮者もよく知っている人ばかりだから、「絶対に舞台は成功するわ」と確信に満ちた様子で話していた。
 印象に残ったのは、歌ばかりではなく、演出と舞台美術。「アンドレア・シェニエ」は、フランス革命前夜のパリ郊外の伯爵邸からストーリーが開始され、最後はサン・ラザール監獄の中庭で、永遠の愛を誓い、死を覚悟して断頭台に向かうシェニエとマッダレーナの姿で幕となる。
 パリ生まれのフィリップ・アルローの演出は、斬新な斜めの壁を切り裂くような舞台装置を取り入れ、各幕ごとに世相を象徴する絵画を映し出す。
 色彩は、衣裳も装置も終始、白が基調。これに赤と青がポイント的に用いられ、フランス国旗をイメージさせる。
 今後の上演予定は、17日、20日、23日。演奏される機会がそう多くないオペラゆえ、今回は貴重な上演である。
 今日の写真は、プログラムの表紙。トリコロールカラーが全編を覆っている。
 それにしても、このオペラの代表的なアリア、シェニエが第1幕でうたう「ある日、青空を遥か遠く眺め」は、名曲中の名曲である。これは多くのテノールが、好んでオペラ・アリアの夕べなどで取り上げる曲。まだ、頭のなかでその旋律が鳴っているほどだ。

タグ:"Yoshiko Ikuma"
posted by 伊熊よし子 at 23:48 | Comment(0) | TrackBack(0) | クラシックを愛す
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