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ダニール・トリフォノフ

「コンクールはスタート台。以後の活動いかんで、そのアーティストの人生が決まる」と、よくいわれる。
 1980年代半ばから国際コンクールの優勝者、入賞者を数多く取材してきたが、まさにコンクール後の数年間で道は大きく分かれる。
 ダニール・トリフォノフは、2011年のチャイコフスキー国際コンクールでグランプリを獲得した後、大きな飛躍を遂げたピアニストである。
 来日のたびに演奏も成熟し、いまや若手のなかでも飛びぬけた存在として、国際舞台で大活躍している。
 今日は、その彼に久しぶりにインタビューを行った。
 コンクール後の活動の様子、新録音について、2016年の新たなコンサート・シリーズに関して、恩師から受けた影響、こよなく愛すラフマニノフについて、偉大なる共演者たちのこと、作曲と編曲についてなど、雄弁に語ってくれ、「日本の食べ物は健康的でおいしい」と、最後に付け加えた。
 いまは年間120回のコンサートを入れているが、もうこれは限界とのことで、今後は減らしていくそうだ。健康法は、水泳やジョギングやウォーキング。
「最近は、ツアーで各地を回るときに食べ物に気をつけるようにしているんだよね。食事に気を配らないといけないと、感じるようになったので」
 そのことばに続けて、和食の話が出たわけである。
 このインタビューはHPのリニューアル後のインタビュー・コンテンツと、ヤマハのWEB「音楽ジャーナリスト&ライターの眼」に書くつもりである。
 彼は国際的な指揮者、器楽奏者との共演があとを絶たないが、彼らから「ことばでは表現できないほど多くの物を得ている」と語る。加えて、現在アメリカで師事しているセルゲイ・ババヤンから学ぶと同時に、ロシアに戻ると、子どものころから師事していたタチヤーナ・ゼリクマンのところに必ず顔を出し、演奏を聴いてもらうという。
 こうした姿勢が、いまの成功につながっているのだろう。
 まだ現段階では詳細を発表できないそうだが、来シーズンからも各地で大きなシリーズや企画が目白押し。「ちゃんと時間をとって、しっかり練習しなくちゃ」と、気を引き締めていた。
 今日の写真は、インタビュー後のワンショット。インタビュー時はかなり改まった服装をしていたが、終わるとジーンズと革ジャンに着替え、黒縁のメガネをかけて、別人のように変身していた。


 
タグ:"Yoshiko Ikuma"
posted by 伊熊よし子 at 22:50 | Comment(0) | TrackBack(0) | アーティスト・クローズアップ
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