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大森智子

 昨今は、J.S.バッハの「ゴルトベルク変奏曲」を演奏するピアニストが多いが、バッハやショパンの演奏で高い評価を得ている大森智子が録音を完成させた(キングインターナショナル)。
 昨秋インタビューしたときは、「70歳を機に録音したいと決めていたのです」と語った。
 彼女は「ゴルトベルク変奏曲」が書かれた当時の宮廷の様子を連想し、けっして大きなホール用に書かれた作品ではないこと、バッハが若き弟子のゴルトベルク少年への愛情が込められていること、カイザーリンク伯爵への敬愛の念などを考慮し、サロンで奏されるような美しくおだやかで情感にあふれたピアニズムを披露している。
 ここに至るまでのピアニストとしての歩みをはじめさまざまな話を聞くことができたが、なかでも印象的だったのは、ご本人がクリスチャンで、マリア・ソフィアというクリスチャンネームをもっていて、三位一体の「3」という数字に興味があるため、「ゴルトベルク」を3年ごとに演奏していきたいと語ったことである。
 ここから話は広がり、「ゴルトベルク」の編曲版である室内楽版も演奏したいという話題になった。
 この作品は、本当に多くの編曲がなされている。バッハはそのいずれも許容する懐の大きさを感じさせ、ジャンルを超えてジャズメンにも愛される作品となっている。
 またひとつ、「ゴルトベルク変奏曲」に新たな録音が加わった。
 このインタビューは、いま店頭に置かれている「intoxicate」に掲載されている。
 今日の写真は、「上智大学の近くで生まれたので、クリスチャンネームがソフィアなの」と語っていたように、インタビューも四ツ谷で行われ、そのときの1枚である。

 Y4901.JPG

  
posted by 伊熊よし子 at 18:10 | クラシックを愛す
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