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サイレントキャンディ

 コンサートのとき、突然咳が出て、すぐにのど飴を探したりハンカチを口にあてたりするなど、困った経験をする人は多いのではないだろうか。
 こののど飴の包み紙を広げるクシャクシャ、ガサガサする音はおもいのほか響き、まわりの人からにらまれたり、手で制されたりする。
 この音がずっと気になり、演奏に集中できなくなり、なんとかそののど飴の包み紙の音をなくすことができないかと考え、20年にわたり、さまざまな会社やお店に連絡を取り、ようやく音をたてないのど飴を作り上げた人がいる。
 広島出身のギタリスト上垣内寿光で、その話を聞くためにインタビューを行った。
 上垣内さんは20年間日本中ののど飴を研究し、実際に取り寄せて味を試したり、包装紙を見たりしている。
 なんとか音のしない包装紙はできないものだろうかと、それこそあらゆるところに電話をして掛け合ったという。しかし、いい結果は得られなかった。 
 そんなある日、娘さんがチューっと吸う飲み物を見て、「これだ!」と気づいたという。
「それからはこのような飲み物や飴のようなものを片っ端からネットで購入し、試してみました」 
 そのなかに、長野県諏訪市でかりん味の水飴を製造している原田商店を見つけ、すぐに社長に電話して自身の考えを伝えた。
「上垣内さんの熱意のすごさに圧倒されました。私も社長に就任してまもなかったため、何か新しいことをしたいと思っていましたので、音の立てないのど飴の開発は、とても興味をそそられたのです」
 こう語るのは原田俊社長。ここから開発が始まり、いまようやく商品としてサイレントキャンディが誕生した。
 容器もデザインも、もちろんかりん味ののど飴も、すべてが研究し尽くされたこだわりの商品で、味わいはとてもナチュラルでぼとよい甘みのジューシーなおいしさ。けっして飽きることのない味わいである。
 いまはまだネット販売が中心だが、今後は店舗などの展開も考慮中とか。私は、ホールの入り口にあるグッズ売り場に置いてもらえれば、コンサートの前にさっと購入できて便利だと思う。
 この取材記事は、次号の「音楽の友」に掲載される予定である。詳細は記事を見てくださいね。
 今日の写真は、上垣内さん(左)と原田社長。原料のかりんも持参してくれたが、初めて見るかりんは結構硬くて、ほのかにいい香りのする、癒されるものだった。諏訪では、かりん湯もあるとか、うらやましい…。

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posted by 伊熊よし子 at 22:13 | 情報・特急便
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