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千住真理子

 千住真理子が2025年にデビュー50周年を迎えることになり、1年を通してさまざまなプロジェクトを企画しており、そのプログラムのインタビュー記事のために、音楽事務所に出向いた。
 近年、千住真理子には新譜がリリースされるたびに話を聞いているが、50周年を俯瞰する話となると、かなり膨大な内容になりそうだ。
 しかしながら、これまで聞いてきた内容などは重複すると時間の無駄になってしまうため、今回はいま考えていること、これからのことをメインに話を聞いた。
 彼女は2002年に幻の名器ストラディヴァリウス「デュランティ」との運命的な出会いをしてから、「人生のすべてをこの楽器を演奏するために変えた」と明言する。
 食事や運動、睡眠などの日常生活のすべてを変え、一日のプログラムをしっかり立て、いかにしたらデュランティと一体になり、いい演奏ができるかを考え、一瞬も無駄にできないと自分を律している。
 ひとつの楽器がひとりの人生をこれほどまでに変えてしまうことに驚き、その精神性の強さに感銘を受ける。
 あまりにもストイックで、いつ話を聞いても私は感嘆しきりである。
 「でも、こんな幸せなことはないの。デュランティは、最初はとても気難しい楽器で、いかにしたら近づけるかと四苦八苦して夜も眠れないほどだったのが、徐々に楽器に近づいて、いまはもっともいい音が出せる、もっといい演奏ができるはずと、思えるようになった。これからも、少しでも上を目指して進んでいくつもり。まだまだデュランティのすごさは奥深くて、一日一日その深いところに入り込んでいくの。なんという幸せな音楽人生なんだろうと思うのよ」
 いやあ、聞いているだけで感激。こんなにもひとつのことに打ち込める人生は、本当に幸せである。
 その熱く深い思いを記事に綴りたいと思う。
 今日の写真は、インタビュー後の1枚、愛器とともに。 

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posted by 伊熊よし子 at 23:35 | 日々つづれ織り
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