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桑原志織

 今日は、杉並公会堂に2021年のルービンシュタイン国際ピアノマスターコンクールで第2位に輝いた桑原志織のリサイタルを聴きに行った。
 プログラムは前半がシューベルトの4つの即興曲作品90より第1番と第3番、ブラームスのピアノ・ソナタ第1番。後半は彼女が得意とするオール・リスト・プロで、バラード第2番、巡礼の年第2年「イタリア」より「ペトラルカのソネット」と「ダンテを読んで」という構成である。
 このリサイタルは、チラシの裏の原稿を書いたため、とても楽しみにしていた。
 桑原志織の演奏は、全編にエネルギーと音楽に対する情熱が強く感じられるもの。隣の席が伊藤恵だったため、そのエネルギーについて話が弾んだ。
 桑原志織は芸大で伊藤恵に師事しているため、伊藤恵は先生として聴きにきていたのだが、お弟子さんの演奏は自分が演奏するのとはまた違った意味で「ものすごく緊張する」といっていた。
 演奏は、やはりリストが印象的で、深く熱く、ひたすら作品の内奥に切り込んでいく姿勢が際立っていた。
「ダンテ」のあとにアンコールとして静けさに満ちた「コンソレーション」が登場したが、その曲想の違い、幅広さ、テンポやダイナミクスの異なる多様性を描き出した演奏に、リストの奥深さを改めて知らされた。
 今日の写真は、演奏後のワンショット。

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posted by 伊熊よし子 at 23:13 | 日々つづれ織り
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