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フジコ・ヘミング

 本日、フジコ・ヘミングの追悼CDが発売となった。
 ひとつは、未発表録音のチャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番(オリヴァー・フォン・ドホナーニ指揮チェコ・ナショナル交響楽団)と5種の「ラ・カンパネラ」が収録されたもの(ビクター)。

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 もうひとつは、これまでビクターに録音されたさまざまな作品をボックスセットにしたCDセレクション。

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 今回は、両方のライナーノーツを担当したため、発売されるのがとても楽しみだった。
 こうしてフジコさんの残してくれた音源を聴いていると、まだ彼女がそこにいて、あの特有の声と話し方が聴こえてくるよう。
 「私はね、自分の演奏が一番好きなの。だれがけなしたっていいのよ、私は私のやり方で弾くの。昔からそうしてきたもの。心のきれいな人は、みんな私の演奏をほめてくれる。そういう人たちに聴いてもらえれば、それでいい」
 こう話していたフジコさん。
 デビュー以来、長年にわたって取材し、インタビューした内容をライナーノーツに綴った。
 ひとりでも多くの人が、録音に耳を傾けてくれればいいなと願ってやまない。



posted by 伊熊よし子 at 22:18 | マイ・フェイバリット・ピアニスト

鷲見恵理子

 先日インタビューした鷲見恵理子の記事が、「intoxicate」のWEBにアップされた。
 ぜひ、読んでくださいね。


posted by 伊熊よし子 at 20:01 | 情報・特急便

河村尚子

 最近は海外にいるアーティストとのインタビューもオンラインで可能になり、とても便利である。
 先日、ドイツ在住の河村尚子に話を聞くことができた。
 彼女にはデビュー当初からインタビューや取材を続けているが、いつもおだやかで落ち着いていて、語り口もとてもゆったりとして、音楽に対する話もこまやかで深く、どこか演奏の空気と同質のものを感じさせる。
 新譜は日本デビュー20周年を記念してドイツで録音した「20-Twenty-」(ソニー)。
 彼女の子ども時代からこれまでの人生における、さまざまなシーンに登場してきた作品を20曲と、プロローグ「シューマン:献呈」、エピローグ「坂本龍一:20220302サラバンド」というこだわりの構成だ。
 その選曲について聞きながら、録音時における様子や、とりわけ印象的な思い出が詰まった曲、ライナーノーツに書ききれなかった話などを幅広く聞いた。
 河村尚子はいまバンベルクに住んでいるが、近々デュッセルドルフに引っ越すそうで、「その準備で大変なんです」といっていた。バンベルクは地ビールが盛んな土地で、自然に囲まれた美しい場所なので、いまはそのふたつを楽しんでいるそうだ。
 このアルバムは、最初から最後までじっくり聴いていくと、ひとつの戯曲や小説を読んだような感覚が味わえ、いろんな曲に自分の思いも投影でき、聴きごたえ十分。
 このインタビューは、次号の「CDジャーナル」に掲載される予定である。


posted by 伊熊よし子 at 22:41 | マイ・フェイバリット・ピアニスト
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