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トリオ・ヴァンダラー

 1987年、パリ国立高等音楽院の卒業生3人によって結成されたピアノ三重奏、トリオ・ヴァンダラーは、ミュンヘン国際コンクール、フィッシュオフ室内楽コンクール(アメリカ)で優勝し、以後世界中で活発な活動を展開している。
 彼らの新譜は、フランク&ヴィエルヌの「室内楽作品集」で、盟友の二コラ・アンゲリッシュに捧げられている。
 その前の録音は、シューマンの「ピアノと弦の室内楽作品集」(ともにキングインターナショナル)。
 来日中の彼らに、その話を聞くためにインタビューを行った。
 折しも、この日は電車の事故で遅延や運転中止に見舞われ、取材に訪れた私たちはバラバラに会場のホテル駆け付け、猛暑のなかホテルのカフェがいっぱいだったため、屋外のテーブルで話を聞くことになった。
 ただし、3人とも文句ひとついわず、われ先にと話したがる。すばらしい人たちである。
 2022年に亡くなった二コラ・アンゲリッシュの想い出や、彼の譜読みの速さ、すばらしい人間性にも話題が及び、とりわけヴァイオリンのジャン=マルク・ヴァイジャベディアンにとっては、「弟のような存在だった」という。
 フランク、ヴィエルヌ、そしてシューマンの作品についても聞き、今後の録音予定も話してもらった。
 このインタビューは、「intoxicate」に書く予定である。
 今日の写真は、インタビュー後の3人。左からピアノのヴァンサン・コック、中はチェロのラファエル・ピドゥ、右がヴァイオリンのヴァイジャベディアン。

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posted by 伊熊よし子 at 23:14 | 日々つづれ織り

スポーツ観戦

 コンサートから戻ったり、原稿の入稿が終わると、脳を休めるためにテレビでスポーツ観戦をする。
 いまはテニスのウィンブルドンが始まり、サッカーのユーロ24が準々決勝の真っただ中。いずれも時差により、夜半から明け方にかけて放映されるため、最近はずっと寝不足である。
 もちろん大切な試合は録画をしているが、スポーツはライヴではらはらどきどきしながら見なくては、おもしろくない。
 というわけで、ナマで見ることになるため、連日寝不足が続くというわけだ。
 今朝はユーロでスペインとドイツが対戦し、開催国であるドイツが姿を消すことになった。
 クロアチアのモドリッチが、「サッカーは残酷だ」と語っていたが、まさに1点勝負で明暗が決まり、それも土壇場でひっくり返されたりするのだから、負けた方はたまったものではない。
 私は1998年にフランス開催のワールドカップでフランス対クロアチア戦をナマで観戦し、いまでも記憶に残る貴重な経験をしたが、実際のスタジアムでのサポーターの熱気はことばにできないほど。芝の上を走り回る選手たちが、思ったより近くに見え、感動したものだ。でも、私は以前からゴールキーバー・フリーク。キーパーこそ、おもしろい。
 さて、今年の優勝はどこになるのだろうか。ウィンブルドンもいよいよ第2週に入るので見逃せない。またまた寝不足である。




posted by 伊熊よし子 at 15:09 | 日々つづれ織り

英国ロイヤル・オペラ

 ヴェルディの「リゴレット」は、すばらしいアリアの数々が全編にちりばめられている印象的なオペラである。
 かなり前のことになるが、アレーナ・ディ・ヴェローナでレオ・ヌッチのリゴレットを聴き、当たり役といわれるそのタイトルロールを役者のような演技力と、広大なアレーナの隅々まで響く歌声で聴かせた歌唱に心を打たれた。
 さて、6月から7月にかけて来日した英国ロイヤル・オペラは、この「リゴレット」とプッチーニの「トゥーランドット」というプログラム。6月28日(NHKホール)は「リゴレット」。アントニオ・パッパーノの指揮、ハヴィエル・カマレナのマントヴァ公爵、エティエンヌ・デュピュイのリゴレット、ネイディーン・シエラのジルダという、いまロイヤル・オペラが誇る布陣である。
 三者三葉の個性と実力を発揮し、パッパーノがロイヤル・オペラハウス管弦楽団、合唱団とともに歌手を盛り立て、オープニングからフィナーレまで一瞬たりとも弛緩せず、緊迫感あふれる舞台となった。
 とりわけ上質で説得力のある歌声を披露したのは、ジルダ役のネイディーン・シエラ。美しく凛とした浸透力のある高音が特徴で、アリアも重唱も輝きを放っていた。
 休憩をはさみ3時間近い舞台だったが、帰路に着く間、さまざまなアリアが脳裏に蘇り、口ずさみながら歩いている自分に気づいた。幸せな瞬間である。
  この公演評は、「公明新聞」に書く予定になっている。
posted by 伊熊よし子 at 23:58 | クラシックを愛す
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