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アレクサンダー・コブリン

 ロシア出身で、現在はアメリカで暮らしているアレクサンダー・コブリンは、2005年のヴァン・クライバーン国際コンクールで優勝したピアニスト。当時25歳。
 そのコブリンが11月1日に浜離宮朝日ホールでピアノ・リサイタルを開く。
 今回は、チャイコフスキーの「四季」とラフマニノフの練習曲集「音の絵」というロシア・プログラムである。
 その話を聞くために、今朝オンライン・インタビューを行った。
 彼には、以前の来日時にインタビューをしたことがあるが、話し方はとてもていねいで、明快な語り口、政治的な発言もどんどんはっきりするタイプ。ときに哲学的な話し方になるほどだ。
 今回は現在の戦争の状態を非常に嘆き、だからこそいま、ロシア作品を演奏したいと熱く語った。
 インタビューでは、チャイコフスキーとラフマニノフの作品に関して各曲の内容と解釈と表現について、ことばを尽くして話してくれた。
 コブリンはクライバーン・コンクールの優勝後からアメリカで暮らし、「自由でいい」と本音をもらした。
 彼の演奏は、とても緻密で表現力も深く、作品の内奥に切り込んでいくスタイルだが、そこにはレフ・ナウモフ先生から受け継いだロシア・ピアニズムの伝統が息づいている。
 このロシア・ピアニズムに関しても、自身の考えをじっくりと聞かせてくれた。
 この記事は浜離宮朝日ホールの冊子に書く予定になっている。
 ベートーヴェンのピアノ・ソナタをライフワークのように考えているが、今回はロシア作品。いまの時代だからこそ、ロシア出身のピアニストによるロシア作品は、聴き手の心の奥深く響いてくるに違いない。

posted by 伊熊よし子 at 22:38 | 情報・特急便
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