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ウクライナ国立フィルハーモニー交響楽団

 12月22日、東京芸術劇場でミコラ・ジャジューラ指揮ウクライナ国立フィルハーモニー交響楽団のコンサートが行われた。
 先日もブログに綴ったが、当日はドヴォルザークの交響曲第9番「新世界より」とベートーヴェンの交響曲第9番「合唱付き」という重量級のプログラム。
 しかし、演奏は冒頭からフィナーレまで真摯で情熱的で推進力に富むもので、一瞬たりとも気が抜けない。
 弦楽器は流麗で、この上なくまろやかで馨しい香りがただよう。管楽器は力強く、エネルギー全開。指揮のジャジューラのタクトの振り方が実に美しく、指揮法とはこうあるべきという演奏に見とれてしまった。
 しかし、やはりみんなが一生懸命演奏すればするほど、現在の国の状況が思い起こされ、複雑な気持ちになった。
 終演後は拍手喝采がやまず、「第九」でテノールとバリトンを担当したふたりがウクライナの国旗を広げ、会場はさらなる拍手に包まれた。このときだけは写真撮影がOKのため、その写真を公開します。

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posted by 伊熊よし子 at 22:26 | クラシックを愛す

佐藤彦大

 ピアニストの佐藤彦大が、2024年2月27日に東京文化会館小ホールでリサイタルを行う。
 その話を聞きに、音楽之友社まで出かけた。
 佐藤彦大は、今回のプログラムの冒頭に西村朗の「薔薇の変容」をもってきている。東京音楽大学在学中に、作曲家からじかに作品について助言を受けたそうで、現代作品を演奏する大きな利点はここにある。
 これまで何度か演奏したそうだが、今回はシューベルト、リスト、シューマンの作品を組み合わせたプログラムのオープニングにこの作品をもってきた理由、作曲家のコメント、どう演奏が変化してきたかなどを聞くことができた。
 シューマンの「クライスレリアーナ」で終幕を迎える形だが、シューマンに関しても、そしてリストやシューベルトに関しても、いろんな方向性をもった話を聞くことができた。
 この記事は次号の「音楽の友」に掲載される予定である。
 インタビューの最後に、趣味や時間があるときに行っていることなどを話してくれたが、昔から運動が好きで、サッカーやサイクリング、山歩きなどを好むという。
 そのうちにからだを鍛えるという話題になり、「足には自信があるんです。走るのも自転車も。ヒラメ筋がすごく発達していて、ペダルを踏むときにいいんですよ」といい、そのヒラメ筋を見せてくれた。
 触ってみて、といわれたのでちょっと押してみると、ものすごく硬い。ピアニストの足とは思えないほどで、まるでアスリートの筋肉のよう。これはぜひ、ブログで紹介したいと思い、写真を撮らせてもらった。
 演奏を聴くときは、ぜひ佐藤彦大のペダリングに注目してください(笑)。
 今日の写真は対話中の1枚と、自慢のヒラメ筋、すごいよねえ。

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posted by 伊熊よし子 at 22:19 | 日々つづれ織り

ウクライナ国立フィルハーモニー交響楽団

 いま、ウクライナ国立フィルハーモニー交響楽団が日本ツアーを行っている最中で、今日は音楽監督のミコラ・ジャジューラを囲んで記者会見が行われた。
 戦禍のなかでの来日公演で、質問もこの戦争に関してのことが多かったが、マエストロはどんな質問にもていねいに応え、「こういう時期だからこそ音楽が必要とされている。私たちはいい演奏をすることだけを考え、日本のみなさんにも私たちの気持ちを伝えたい」と明言した。
 このオーケストラは2005年に初来日し、今回が9度目の来日。常に日本の聴衆から熱狂的な歓迎を受けている。
 「私たちは日本の聴衆と特別な絆を感じます。初来日以来、心に特別な場所があるという感じがしてきました。いまは大変苦しい時代で、国では空襲警報が鳴ると隠れ、終わると出てきて練習するという形ですが、だからこそ音楽の大切さを痛感しています。ウクライナでは、国民がみな音楽を必要としている。そのなかで練習を積み重ねてきました。それを日本のみなさんに聴いてほしいのです」
 マエストロは、一瞬たりとも指揮を忘れることはなく、「寝ているときも指揮のことを考えている」と語る。
 この後、オーケストラのメンバーによる演奏が行われたが、どんなに躍動するリスズムも、楽しそうなフレーズも、どこかもの悲しい。その奥に熱きエネルギーがふつふつと燃え滾っているようで、心がふるえた。
 曲は、ウクライナを代表するミロスラフ・スコリクの「メロディ」(弦楽合奏)、オレクサンドル・ポティエンコの「ウクライナのクリスマス」とウクライナの第2国歌といわれる「ああ野原の赤いカリーナ」(管楽器五重奏)。

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 12月22日には東京芸術劇場でコンサートが行われ、ドヴォルザークの交響曲第9番「新世界より」と、ベートーヴェンの交響曲第9番「合唱付き」がプログラムに組まれている。
 今回は12月9日の盛岡市からツアーが開始し、1月1日の大阪まで17公演が組まれている。
 さらにサーカスとフルオーケストラ(ウクライナ・フィル)がコラボする「シルク・ドゥラ・シンフォニー」が2024年1月3日から14日に予定されている。

posted by 伊熊よし子 at 23:28 | 情報・特急便
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