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コンサートが目白押し

 秋のコンサートシーズン到来で、海外からのアーティストの来日公演が目白押しである。
 18日には東京芸術劇場で、クラウス・マケラ指揮オスロ・フィルがあり、シベリウスの交響曲第2番と第5番を聴いた。自然を感じさせる視覚的な演奏で、柔軟性に富み、豊かにうたうオーケストラの響きが印象的だった。
 マケラの指揮は、前回の来日でも圧倒的な存在感を放っていたが、今回は本人が「血となり肉となっている」(インタビュー時のことば)というシベリウスで、作品の本質を描き出した。アンコールもシベリウスで、「レンミンカイネンの帰郷」。
 19日にはオペラシティコンサートホーで、レオニダス・カヴァコスのリサイタルが開かれた。今回はフレンチ・プログラムで、ラヴェルとプーランク、ドビュッシー、フランクのヴァイオリン・ソナタ。ピアノは盟友のエンリコ・パーチェ。これは公演プログラムに原稿を書いたため、非常に楽しみにしていた。オープニングのラヴェルは、未完の「遺作」。カヴァコスの演奏は、あるべきところに音があるという説得力のある演奏で、ひたすら作品の内奥へと迫っていく姿勢に共感を覚える。パーチェのピアノがまたすばらしく感動的で、ヴァイオリン・ソナタは両楽器がこういう形でひとつの声になるという極意を伝えてくれた。
  アンコールはラヴェルのヴァイオリン・ソナタ ト長調より第2楽章「ブルース」と「フォーレの名による子守歌」。
 20日にはニュウニュウのリサイタルがオペラシティコンサートホールで行われた。彼には先日「音楽の友」でインタビューしたときに今回のプログラム、新譜の話を聞いたが、「Lifetime」と題された選曲は、オペラアリアから器楽曲の名曲まで多種多様なラインナップ。会場は満員で、みんながこういう名曲を聴きたがっているのがよくわかった。しかも、しっかりした演奏で。
 この公演評は「モーストリー・クラシック」に書く予定である。
 23日には同じくオペラシティで、レイフ・オヴェ・アンスネスのリサイタルが開かれた。アンスネスは先ごろドヴォルザークの「詩的な音画集」という新譜をリリースしているが、今回はそのなかから5曲が演奏された。
 プログラムは前半がシューベルトのピアノ・ソナタ第14番とドヴォルザーク、後半がベートーヴェンのピアノ・ソナタ第8番「悲愴」とブラームスの「7つの幻想曲」作品116という構成で、すべてが拡張高く、心にしみじみと響いてくる演奏だった。
 この公演評も、「モーストリー・クラシック」に書く予定である。
 まだまだ公演ラッシュは続き、11月もビッグなオーケストラ、アーティストの来日が続く。
 今日の写真は終演後のニュウニュウ。もう186センチもある、最初に会ったときは、本当に小さかったのに…。

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posted by 伊熊よし子 at 15:51 | クラシックを愛す
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