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ヴェロニカ・エーベルレ

 ドイツのヴァイオリニスト、ヴェロニカ・エーベルレは、17歳だった2006年にサー・サイモン・ラトルに認められ、ベルリン・フィルとともにベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲を演奏して広く知られるところとなった。
 そんな彼女が、2022年のデビュー録音に選んだのは、やはりベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲。ラトル指揮ロンドン交響楽団との共演である(キングインターナショナル)。
 今回のカデンツァは、いま現代作曲家として、クラリネット奏者として注目を浴びているイェルク・ヴィトマンの書き下ろし。それは超絶技巧をちりばめ、ヴィトマンならではの創意工夫にあふれる、ベートーヴェンの新たな魅力を発見させてくれるカデンツァである。
 来日中のヴェロニカ・エーベルレに、その録音についてインタビューを行った。
 もちろんそのカデンツァに関してじっくり話してくれたが、これはエーベルレがヴィトマンに委嘱したものだそうだ。
 それからラトルとの出会い、ベルリン・フィルとの共演に関しても聞き、さらに今回のロンドン響とのレコ―ディンクがついても、実に楽しそうに、ことばを尽くして語ってくれた。
 彼女は和食が大好きで、「お寿司ではなく、断然おさしみ」と明言。いつも新鮮なおさしみを思いっきり堪能するという。
 このインタビューは、次号の「intoxicate」に書く予定である。
 今日の写真はインタビュー中の1枚。リハーサル後だったが、ほとんどノーメイクで、すべてが自然体。すごく好感のもてる人だった。両親は医師で、兄と弟、ご主人ともに音楽家だそうだ。

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posted by 伊熊よし子 at 17:08 | 日々つづれ織り

小林研一郎

 日本フィルの桂冠名誉指揮者を務める小林研一郎(コバケンさん)は、いつもインタビュアーに私を指名してくれる。
 今回は、日本フィルの東京定期演奏会(11月3日、4日、サントリーホール)のコンサートについて話を聞き、演奏会のプログラムに掲載する「次回定期の指揮者に聞く」の原稿を担当することになった。
 昨日はリハーサル後の杉並公会堂に出向き、インタビューを行ったが、午後からの突然のゲリラ豪雨に遭い、びしょぬれになってしまった。
 曲目は、コダーイの「ガランタ舞曲」とオルフの「カルミナ・プラーナ」。
 この作品の聴きどころについて、作品との出会い、作曲家への思い、今回のリハーサルの様子などを聞いていたのだが、コバケンさんとはいつも話がどんどん脱線してしまい、彼のこれまでの人生や音楽とのかかわり、生きざまや哲学にまで広がってしまった。
「伊熊さんって、自分の聞きたい方にどんどん話題をもっていくでしょう」 
「いえいえ、コバケンさんが自分の話したいことに飛んでいってしまうんですよ」
 そんなこんなで、今回もプログラム原稿からはかなり離れた話が多かった。
「まあ、いつものことだから、うまくまとめてよ」
 こういわれ、なんとか曲に対するエッセンスだけは聞き、時間がきてしまった。
 さて、どうまとめるか。結構、興味深い話が聞けたので、それを綴りたいと思う。
 読者が記事を読んで、ふたつの作品に興味をもってもらえるよう、なんとかいい原稿を書かなくてはならない。
 今日の写真は、インタビュー後のワンショット。「リハのあとだから髪がぐちゃぐちゃだけど大丈夫? でも、さっきスプレーかけて少しはまとめたんだけどさ」とマエストロ。「大丈夫です。リハのあとのリアル感が出ていていいです」などという私。
 笑顔で、いい感じですよね。リハはかなり集中して厳しかったようだから、演奏に期待大です!!

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posted by 伊熊よし子 at 22:00 | クラシックを愛す

花岡千春

 ピアニストの花岡千春が、「二つの大戦の狭間で」と題したリサイタルを行う(11月23日、東京文化会館小ホール)。
 これは毎年恒例のピアノ独奏会で、「音楽之友社」から発売された楽譜「日本の小品集」と「イギリス ピアノ小品集」に収められた二つの大戦の狭間に書かれた、日、仏、英の作品を集めたものとなっている。
 プログラムは、橋本國彦:三枚繪(雨の道、踊子の稽古帰り、夜曲)、タンスマニズム、A.タンスマン:「子供のために」より大西洋横断ソナチネ、J.アイアランド:ホーリー・ボーイ(前奏曲集より)、五月の朝に(組曲「サルニア」より)、伊福部昭:ピアノ組曲(日本組曲)という構成である。
 そのリサイタルの話を聞くために、インタビューを行った。
 もちろん、当日の選曲理由から始まり、楽譜出版の大変さ、各曲への思いなどをじっくりと聞いたが、実は彼は大変なグルメだそうで、その話で盛り上がってしまった。
 音楽家はグルメが多い。やはり、いい音楽を生み出すためには、美食は欠かせないということではないだろうか。
 連載している「音楽の友」の「マリアージュなこの1本」でも、出演してくれるみんなが食の話で大いに盛り上がり、口がなめらかになる。
 この記事は次号の「音楽の友」に掲載予定である。
 グルメな話はほんのちょっとしか触れられないが、花岡千春の人間性には触れたいと思う。それらすべてが演奏に反映すると思うからである。
 今日の写真は、インタビュー後の1枚。インタビューでの楽しそうな表情そのままの笑顔がいい感じ…。

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posted by 伊熊よし子 at 22:24 | クラシックを愛す
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