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諏訪内晶子&エフゲニ・ボジャノフ

 9月17日、18日と、徳島に出張した
 諏訪内晶子&エフゲニ・ボジャノフのデュオ・リサイタル(あわぎんホール)のプレトークの講師を依頼されたからである。
 前日の夜に徳島に入り、18日の15時開演のリサイタル前、13時30分から14時30分の1時間の講座である。
 当日はかなり大勢の人が講座を聞きにきてくれ、演奏曲目のブラームスのヴァイオリン・ソナタ第1番から第3番の曲目に関して、デビュー以前からおつきあいのある諏訪内さんの人生と音楽の変遷、ショパン・コンクールを現地で聴いたボジャノフのことなど、多岐に渡る話題を取り上げた。
 その後、ブラームスのソナタを3曲聴き、終演後には楽屋でおふたりと会い、夜の便で東京に戻った。
 徳島は初めて訪れたが、空港の名前が「阿波踊り空港」というのには「なるほど」と思ってしまった。到着ロビーには大きなスクリーンがあり、阿波踊りが映し出されていて、訪れる人を明るく出迎えてくれた。
 諏訪内晶子とエフゲニ・ボジャノフのブラームスは、何度もリハーサルを繰り返しているだけあって、細部まで息がピッタリ。
 彼女の楽器は新たな出会いとなった、1732年製グァルネリ・デル・ジェズ「チャールズ・リード」。この深々と厚みのある音がブラームスにとてもよく合い、それを伝えると、諏訪内さんも「そうなのよ。いま、とってもいい状態なの」と、にこやかに語っていた。
 今日の写真は、あわぎんホールの外観と終演後のワンショット。このチャールズ・リード、ぜひナマで聴いてみてください。

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posted by 伊熊よし子 at 22:27 | 麗しき旅の記憶

ヴェロニカ・エーベルレ

 ドイツのヴァイオリニスト、ヴェロニカ・エーベルレは、17歳だった2006年にサー・サイモン・ラトルに認められ、ベルリン・フィルとともにベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲を演奏して広く知られるところとなった。
 そんな彼女が、2022年のデビュー録音に選んだのは、やはりベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲。ラトル指揮ロンドン交響楽団との共演である(キングインターナショナル)。
 今回のカデンツァは、いま現代作曲家として、クラリネット奏者として注目を浴びているイェルク・ヴィトマンの書き下ろし。それは超絶技巧をちりばめ、ヴィトマンならではの創意工夫にあふれる、ベートーヴェンの新たな魅力を発見させてくれるカデンツァである。
 来日中のヴェロニカ・エーベルレに、その録音についてインタビューを行った。
 もちろんそのカデンツァに関してじっくり話してくれたが、これはエーベルレがヴィトマンに委嘱したものだそうだ。
 それからラトルとの出会い、ベルリン・フィルとの共演に関しても聞き、さらに今回のロンドン響とのレコ―ディンクがついても、実に楽しそうに、ことばを尽くして語ってくれた。
 彼女は和食が大好きで、「お寿司ではなく、断然おさしみ」と明言。いつも新鮮なおさしみを思いっきり堪能するという。
 このインタビューは、次号の「intoxicate」に書く予定である。
 今日の写真はインタビュー中の1枚。リハーサル後だったが、ほとんどノーメイクで、すべてが自然体。すごく好感のもてる人だった。両親は医師で、兄と弟、ご主人ともに音楽家だそうだ。

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posted by 伊熊よし子 at 17:08 | 日々つづれ織り

小林研一郎

 日本フィルの桂冠名誉指揮者を務める小林研一郎(コバケンさん)は、いつもインタビュアーに私を指名してくれる。
 今回は、日本フィルの東京定期演奏会(11月3日、4日、サントリーホール)のコンサートについて話を聞き、演奏会のプログラムに掲載する「次回定期の指揮者に聞く」の原稿を担当することになった。
 昨日はリハーサル後の杉並公会堂に出向き、インタビューを行ったが、午後からの突然のゲリラ豪雨に遭い、びしょぬれになってしまった。
 曲目は、コダーイの「ガランタ舞曲」とオルフの「カルミナ・プラーナ」。
 この作品の聴きどころについて、作品との出会い、作曲家への思い、今回のリハーサルの様子などを聞いていたのだが、コバケンさんとはいつも話がどんどん脱線してしまい、彼のこれまでの人生や音楽とのかかわり、生きざまや哲学にまで広がってしまった。
「伊熊さんって、自分の聞きたい方にどんどん話題をもっていくでしょう」 
「いえいえ、コバケンさんが自分の話したいことに飛んでいってしまうんですよ」
 そんなこんなで、今回もプログラム原稿からはかなり離れた話が多かった。
「まあ、いつものことだから、うまくまとめてよ」
 こういわれ、なんとか曲に対するエッセンスだけは聞き、時間がきてしまった。
 さて、どうまとめるか。結構、興味深い話が聞けたので、それを綴りたいと思う。
 読者が記事を読んで、ふたつの作品に興味をもってもらえるよう、なんとかいい原稿を書かなくてはならない。
 今日の写真は、インタビュー後のワンショット。「リハのあとだから髪がぐちゃぐちゃだけど大丈夫? でも、さっきスプレーかけて少しはまとめたんだけどさ」とマエストロ。「大丈夫です。リハのあとのリアル感が出ていていいです」などという私。
 笑顔で、いい感じですよね。リハはかなり集中して厳しかったようだから、演奏に期待大です!!

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posted by 伊熊よし子 at 22:00 | クラシックを愛す
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