2023年07月06日
国際舞台で活躍する日本のアーティスト
最近は、海外のオーケストラや来日アーティストの演奏を聴く機会も多く、先日から国際舞台で活躍する日本のアーティストの演奏を聴き、その自信にあふれた存在感のある演奏に触れ、元気をもらっている。
6月26日には東京芸術劇場コンサートホールで、ラハフ・シャニ指揮ロッテルダム・フィルハーモニー管弦楽団のコンサートを聴いた。プログラムはラフマニノフのピアノ協奏曲第3番とチャイコフスキーの交響曲第6番「悲愴」という、人気の高い演目。
ピアノ協奏曲のソリストは藤田真央である。このラフマニノフのピアノ協奏曲第3番は、リッカルド・シャイーとの共演で相当鍛えられていて、その経緯は先日書いた単行本にも記したが、やはり細部にいたるまで神経が研ぎ澄まされたピアノで、存在感を放っていた。
ラハフ・シャニは初めて実演に触れたが、実にエネルギッシュで爽快な指揮をする人である。ピアニストとしての活動も行っているためか、藤田真央のアンコール、ショパンの「エチュード作品25より第1番 エオリアンハープ」に次いで、真央とふたりで連弾を披露。ドヴォルザークの「スラヴ舞曲集第10番」を披露して、喝采を浴びた。
近年は実力を備えた若手指揮者の台頭が著しいが、ラハフ・シャニもそのひとりである。
6月30日にはサントリーホールで、山田和樹指揮バーミンガム市交響楽団のコンサートがあり、ブラームスのヴァイオリン協奏曲とラフマニノフの交響曲第2番が演奏された。
以前からバーミンガム市響は何度か聴いているが、音の質が格段に向上し、すべてのセクションの響きが見事なまでにバランスを保ち、しかも各々の個性を発揮するというポジティブな演奏に変貌していた。これこそが、マエストロ山田の目指すところに違いない。
この日のブラームスのソリストは樫本大進。山田和樹と樫本大進は大の親友で、いろいろ共通項も多い。
その共演はあうんの呼吸というか、自然なアイコンタクトが可能というか、ブラームスの隅々までお互いの音楽性と表現力が一致した、まさに心が高揚するようなひとときを生み出した。
続いて3人の国際舞台で活躍する日本の演奏家を聴き、彼らの才能に大いに触発されるとともに、たのもしさも感じ、さらなる飛躍を願う気持ちでいっぱいになった。
posted by 伊熊よし子 at 22:17
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