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スティーヴン・ハフ

 来日アーティストのコンサートが続くなか、実力派のピアニスト、スティーヴン・ハフが6月14日にトッパンホールでリサイタルを開いた。
 プログラムは前半が、モンポウ「魔法の歌」、ドビュッシー「版画」、ショパン「バラード第3番」「ノクターン第5番」。
後半がハフ「パルティータ」、リスト「巡礼の年第2年イタリアよりペトラルカのソネット、ダンテを読んで」。
 いずれも成熟した演奏で、あるべき音がそこにあるという説得力のあるピアニズム。こういうピアノを聴くと、何時間でも聴いていたくなり、さらに得意とするモンポウは、さまざまな作品を聴きたくなる。
 トッパンホールの親密的な空間に、ハフの円熟味あふれる音色は温かくヒューマンな響きとなってホール全体を満たし、磨き抜かれた音に全身が包まれる感覚を抱いた。
 この公演評は、いくつかの雑誌に書き分けすることになっている。
 今年は1月から何人かのピアニストのすばらしい演奏に触れているため、「音楽の友」の2023年コンサートベスト10のリスト出しに迷いそうだ。
 まだ半年あるから、もっとたくさんのいい演奏に出会いそう…。



posted by 伊熊よし子 at 21:56 | クラシックを愛す
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