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上野聖矢

 今回の「音楽の友」の「マリアージュなこの1本」のゲストは、フルートの上野聖矢である。
 彼の行きつけのお店は、銀座のレ・コパン・ドゥ・ドミニク・ブシェ。ドミニク・ブシェ・トウキョーのセカンドラインというか、カジュアルラインのフレンチレストランで、ビルの地下にある隠れ家的な雰囲気だ。
 上野聖矢は子どものころサッカーが大好きで、かなり走り込んでいたため、体力には自信があるとか。
 現在はソロ、室内楽、オーケストラとの共演から教える仕事まで、多忙を極めている。
 そんな忙しい時間の合間に、来日したフランス人の音楽仲間を案内するのはいつもこのお店。みんながそのおいしさを絶賛し、うなるそうだ。
 「パリとミュンヘンに留学していた時代は、学生ですからお金がない。なんとか安くておいしい物を探して歩き、いろんな物を食べ、ワインやピールもたくさん飲みました」
 という彼だが、実はウイスキー党だそうだ。
 嫌いな物や食べられない食材はまったくないそうで、うらやましい限り。留学中に自炊をしていたため、いまではいろんなお料理を作るという。得意なのは冷たいパスタ。生ハムと桃を合わせると聞き、その斬新さに驚いた。
 記事では、上野聖矢のいろんな面を紹介している。
 今日の写真は、シェフとのワンショットとパウエルのフルートとの1枚。

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posted by 伊熊よし子 at 18:11 | クラシックを愛す

伊藤悠貴

「音楽の友」の次号は、今年生誕150年を迎えるラフマニノフ特集である。
 ラフマニノフというと、ピアノ作品がクローズアップされるが、チェリストでラフマニノフ「命」と思っているのがロンドン在住の伊藤悠貴である。
 先日、彼にラフマニノフのチェロ・ソナタなどの魅力を思いっきり語ってもらうことになり、特集のなかに記事を掲載することになった。
 実は2019年、ピアノに藤田真央を迎え、伊藤悠貴がオール・ラフマニノフ・プロでリサイタルを行ったことがある。
 その公演評を「公明新聞」に書いた。下記に貼り付けます。
 あれからコロナ禍でなかなか演奏を聴く機会に恵まれなかったが、今回はインタビューでお会いすることができた。伊藤悠貴はラフマニノフのチェロ・ソナタに出会っていなかったら、チェリストになっていなかったかもしれないというほど、このソナタとは縁が深い。その魅力と聴きどころを存分に話してくれ、時間が足りないほどだった。
 今日の写真はインタビュー中のワンショット。彼の熱き想いを率直に原稿にしたいと思う。

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伊藤悠貴 チェロ・リサイタル

329日 紀尾井ホール


 チェロ界に新たな才能が出現した。15歳からロンドン在住で、2010年にブラームス国際コンクール第1位、11年英国の最高峰・ウィンザー祝祭国際弦楽コンクール第1位を獲得した伊藤悠貴である。

 彼はコンクール優勝後、国内外で活発な演奏活動を展開し、著名な指揮者、オーケストラとの共演を重ねてきた。ライフワークはラフマニノフの作品およびイギリス音楽の研究・演奏。28歳の昨夏には、憧れの地・ロンドンのクラシックの殿堂ウィグモア・ホールにて史上初の開催となるオール・ラフマニノフ・プログラムでリサイタルを行い、高い評価を得ている。329日には東京・紀尾井ホールで同じプログラムのリサイタルを行った。

 前半はチェロとピアノのための2つの小品 作品2(前奏曲、東洋の踊り)、幻想的小品集作品3から(エレジー、メロディー、セレナーデ)、前奏曲作品2310、ロマンス、6つの歌曲(朝、夜のしじま、リラの花、ここはすばらしい、夢、春の水)、後半はチェロ・ソナタ作品19という構成である。今回のプログラムはラフマニノフの「歌」がテーマとなっており、伊藤悠貴はチェロ作品以外では編曲も行っている。

彼は作曲家の豊かな歌心を表現するべくチェロを人間の声のように歌わせ、共演のピアニスト藤田真央とともに、ロシアの大地、深いロマン、抒情性などを生き生きと表現した。

伊藤悠貴のチェロは輝かしい未来を予感させ、チェロと一体化した歌心は聴き手の心に深く浸透する。力強さと繊細さ、壮大さと緻密さ、語りと歌など相反する表情が横溢し、いずれの曲も創意と工夫に満ちている。この選曲はふだん聴くことができない貴重なもの。ロンドンを拠点に今後も耳の肥えた聴衆の元で演奏を磨き、「世界のYUKI」になってほしい。





posted by 伊熊よし子 at 23:32 | クラシックを愛す

宮谷理香

 4月22日(土)14時、トッパンホールに宮谷理香ピアノ・リサイタルを聴きに行った。
 今回はオール・ショパン・プロで、オープニングはモーツァルトの歌劇「ドン・ジョヴァンニ」の「ラ・チ・ダレム・ラ・マノ(お手をどうぞ)」による変奏曲。親密な音響のホールに、華麗で技巧的で歌心に満ちた響きが広がっていく。まさにモーツァルトとショパンが手に手を取って踊っているような演奏だ。
 次いでバラード第2番、第3番が演奏され、私の脳裏には宮谷理香がショパン・コンクールで演奏したときの様子が浮かんできた。もう現地で聴いてから何年も経つのに、音の記憶というものは不思議である。
 後半は、ピアノ協奏曲第2番の弦楽六重奏版(小林仁編曲)。この作品もいろんなピアニストで何度も聴いているが、この日の弦楽六重奏版は、内声部が非常にクリアに聴こえ、その音の充実がアンサンブルを緊密にし、ピアノとの音の対話を濃密なものとしていた。当日は小林仁先生も会場でお聴きになっていた。
 ショパンの時代にはこうした弦楽アンサンブルとピアノで演奏されることも多かったようで、その時代をほうふつとさせ、しかも新たな感覚も内包し、聴きごたえがあった。

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 今日の写真は、終演後のステージで撮影させてもらうことができた。
 弦楽六重奏は、西本幸弘(ヴァイオリン)、岸本萌乃加(ヴァイオリン)、中村翔太郎(ヴィオラ)、萩谷金太郎(ヴィオラ)、江口心一(チェロ)、加藤雄太(コントラバス)。
 次回は、ぜひこのメンバーでピアノ協奏曲第1番も聴いてみたい。

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posted by 伊熊よし子 at 23:18 | クラシックを愛す
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