ブログ

ハイオウ・チャン

 最近、アジア系の音楽家の取材が増えている。
 先日、中国出身で、現在はドイツ在住のピアニスト、ハイオウ・チャンのインタビューを行った。
 彼は多くの音楽家がそうであるように、コロナ禍でコンサートがなくなってしまったなかで「何をするべきか」を模索し、ベートーヴェンとJ.S.バッハの音楽を研究し続けたという。
 そして「私の2020年」と題したアルバムを作り上げた。
 ここにはベートーヴェンのピアノ・ソナタ第30番、第32番からバッハの作品までを収録(キングインターナショナル)。
  その話を中心に、ドイツでの生活、各地での演奏について、今後の抱負までさまざまなことを聞くことができた。
 実は、インタビューの部屋に入ると、テーブルの上にハイオウ・チャンのとても素敵な帽子が置いてあった。
 その帽子を褒めると、「私のステージ衣裳や日常着は、イタリアの老舗テーラーの熟練の職人さんが作ってくれるんです。私のファンだといって、とてもていねいに仮縫いもしてくれる。その人がコロナで亡くなってしまい、とてもショックを受けました。彼か作ってくれたステージ衣裳は、心臓にあたる部分に隠されたボタンが縫い付けてあるんです。私の演奏を見守ってくれるというわけです」といって、帽子もイタリア製だといっていた。
 この記事は、次号の「intoxicate」に掲載される予定である。
 今日の写真は、帽子をかぶったものとかぶらないものの2枚。とてもスリムで、ビシッと着こなしたスーツがよく似合っていた。

y4292.JPG

y4294.JPG




posted by 伊熊よし子 at 22:20 | 日々つづれ織り

イム・ユンチャン

 いま、先日アメリカで開催された「第16回ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクール」において、史上最年少の18歳で優勝の栄冠に輝いた韓国出身のイム・ユンチャンが来日中である。
 昨日は、来日公演を前に記者懇親会が開かれ、コンクール参加の経緯やレパートリーのこと、今後の活動に関してなど、さまざまな話題が登場した。
 私の知っている韓国人のアーティストや仕事で会う人は、ほとんどの人が声がものすごく大きく、雄弁である。
 ところが、イム・ユンチャンは恥ずかしそうに小声でボソボソと話す。
 こういう人は、きっと対面のインタビューを行ったら、結構内面性が出てきて、おもしろい面が引き出せるに違いない。
 今日の写真は、記者懇親会のひとこま。
 リサイタルは、今夜サントリーホールで開催される。
 彼は古い録音を好むそうで、イグナーツ・フリードマンのショパンを大切に聴き込んでいるとか。シブいねえ。
 今夜の演奏が楽しみである。
   なお、2023年2月にはミハイル・プレトニョフ指揮東京フィルのソリストとして来日し、ベートーヴェンのピアノ協奏曲第5番「皇帝」を演奏する予定になっている。


y4305.JPG

y4306.JPG



posted by 伊熊よし子 at 14:13 | 情報・特急便
CATEGORIES
ARCHIVES
LINKS
PROFILE
検索ボックス