ブログ

渡邊康雄

 今回の「音楽の友」の「マリアージュなこの1本」のゲストは、ピアニストの渡辺康雄の登場だ。
 行きつけのお店は、京王線の国領駅から徒歩数分の「麺飯坊 無双」という中華料理店である。
 渡邊康雄には、以前もインタビューを行ったことがあるが、そのときはベートーヴェンのピアノ協奏曲の弾き振りに関することがメインだった。
 もちろん、ピアニストとしての活動が主ということだが、指揮者としての仕事も数多くこなしていて、最近は春日部のプロとアマの混合チームであるオーケストラとの仕事も増えているという。
 この日も、その仕事の多彩さに関して、いろいろ話を聞くことができた。
 この記事は、11月発売の「音楽の友」に掲載される予定である。
 そしていつもの「口福レシピ」を考えるにあたり、渡邊さんに好みの食材を聞くと、「キャベツの千切り」という思いもかけない答えが戻ってきた。
 うーん、キャベツの千切りねえ。これはレシピを考えるまでもなく、素材になってしまうため、ここはひとつ、キャベツをふんだんに使ったレシピを考案することにした。雑誌をお楽しみに。
 今日の写真は、中華料理に独特の考えと創造性をもたせたお料理を考案しているシェフとのショット。
 女性に人気だというサラダひとつとっても、そのユニークな素材の選び方とドレッシングは見事なまでのマッチング。私も大いに勉強させてもらいました。

y4280 (2)_R.JPG



posted by 伊熊よし子 at 17:28 | 美味なるダイアリー

クラウス・マケラの時代がやってきた!

 ライジングスターの登場には心が高揚し、胸の鼓動が速くなるほどだ。
 いま来日中のクラウス・マケラ指揮パリ管弦楽団の演奏は、まさに聴き手の心身を異次元の世界へと運んでくれるもの。
 昨日は、サントリーホールでマケラ指揮パリ管のコンサートを聴いた。
 プログラムはドビュッシーの交響詩「海」、ラヴェルのピアノ協奏曲ト長調、ストラヴィンスキーの「火の鳥」。ラヴェルのソリストはアリス=紗良・オットである。
 マケラは、ステージに登場する姿から美しい。スリムな長身をセンスのいいスーツに包み、走るようにして指揮台へと歩みを進める。そして深々とおじぎをしたかと思うと、一気にオーケストラのもてる力を最大限発揮できるよう、全身全霊を傾けて作品へと没入していく。
 「海」では弦楽器の弱音の美しさと木管、金管の柔軟性に富んだ音色が際立ち、指揮者とオーケストラとの密度濃いコミュニケーションが前面に押し出されていく。
 ラヴェルのピアノ協奏曲では、アリスがいつものように裸足で走り込んできて、マケラとの相性ピッタリ。
 彼女は、演奏前にステージ上から聴衆に向かって話をした。それによると、一昨日ミュンヘンから東京に着いたのだが、ロストバゲージに遭ってしまい、スーツケースはまだミュンヘンにあるという。そこでステージ衣裳を買いに行ったのだが、なかなが見つからず、「今夜のスカートはオケのメンバーから借りました」とのこと。
 私も海外出張で何度かロストバゲージに遭っているため、その大変さはよくわかる。
 でも、アリスの演奏はみずみずしくクリアな響きで、ラヴェルの本質に迫るピアニズムだった。
 後半は「火の鳥」。これこそマケラとパリ管の絆を示す演奏で、序奏からフィナーレに至るまで、一瞬たりとも弛緩しない演奏に聴き手も集中力を要求され、作品の内奥へと運ばれた。
 クラウス・マケラは1996年1月フィンランドのヘルシンキ生まれ。10代のころから指揮とチェロの演奏でめきめきと頭角を現し、各地のオーケストラの首席指揮者や要職に就き、現在はパリ管の音楽監督を務めている。
 オスロ・フィルの首席指揮者兼アーティスティック・アドヴァイザーも務めており、来日記念盤としてシベリウスの交響曲第2番&第5番がリリースされた(ユニバーサル)。
 最近は仕事上のストレスがたまり、どうにもならない状態が続いていたが、昨日のマケラの躍動感あふれ、前進するエネルギーに満ちた演奏に全身が包まれると、不思議なくらいにストレスが霧散していった。
 この年齢ですでにカリスマ性を備えているマケラは、世界のオーケストラから引っ張りだこの人気だ。ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団は、2027年から第8代首席指揮者に迎えると発表。彼は伝統と歴史を備えたヨーロッパのオーケストラに、新風を吹き込む。まさに「クラウス・マケラの時代がやってきた!」という感を強くする。
 来日公演はまだ続き、20日愛知県芸術劇場コンサートホール、21日岡山シンフォニーホール、23日フェスティバルホールが予定されている。
 ストレスにさらされている人は耳を傾けてほしい。ナマを聴くことができない場合は、録音でぜひ。

y4277.jpg



posted by 伊熊よし子 at 14:46 | クラシックを愛す

福間洸太朗

 ショパンのピアノ協奏曲第1番は、通常オーケストラとの共演で演奏される。
 しかし、ショパンの時代には貴族のサロンや小さなホールにおいて、室内楽版で演奏されていたといわれる。
 その室内楽版に挑戦し、ライヴレコーディングを行ったのがピアニストの福間洸太朗である(2022年1月27日、鶴見区民文化センター サルビアホール、ぶらあぼ)。
 そのソリストを務めたのが、福間洸太朗。
 以前から何度もインタビューをしているピアニストだが、今回もショパンについて、ピアノ協奏曲第1番について、そして室内楽版について、ことばを尽くして話してくれた。
 彼は録音のときに39歳。ショパンが亡くなったのも39歳。その年齢を意識して「特別なショパンになった」と語っていた。
 このインタビューは「intoxicate」に掲載される。
 今日の写真はインタビュー後のワンショット。また、「intoxicate」のWEBの記事がアップされたら、紹介したいと思う。

y4276.JPG

   
続きを読む
posted by 伊熊よし子 at 10:39 | 親しき友との語らい
CATEGORIES
ARCHIVES
LINKS
PROFILE
検索ボックス