2022年04月17日
ゴーティエ・カピュソン
フランスのチェリスト、ゴーティエ・カピュソンが来日し、4月15日にトッパンホールで無伴奏作品によるリサイタルを開いた。
前半はJ.S.バッハの「無伴奏チェロ組曲第1番」で幕開けする予定だったが、ゴーティエはこの作品を世に紹介したパブロ・カザルスについて語り、そのカザルスが大好きだった「鳥の歌」を演奏し、次いでバッハへと移った。
続いてフランスを代表する20世紀の作曲家、アンリ・デュティユー(1916〜013)の「ザッハーの名による3つのストロフ」が奏され、後半はコダーイの「無伴奏チェロ・ソナタ作品8」がエネルギッシュに、情熱的に、また民族色豊かに演奏された。
実は、このリサイタル前のごく短時間だったが、久しぶりにインタビューをすることができた。
ゴーティエは、2020年に「Souvenirs スーベニール/思い出」と題する3枚組のCDをリリースしている。
1枚目はこのアルバムのために新録音された無伴奏作品で、フィラルモニ・ド・パリでのレコーディング。2枚目と3枚めはデビューからこれまでの数多くの録音のなかから厳選した作品が収録されている。
ゴーティエは、1981年フランス東部のサヴォワ県シャンベリに生まれた。このベスト盤のジャケット写真はすばらしい自然のなかで撮影されているが、現在も両親が住む、このサヴォワの家で撮影されたものだという。
緑豊かな自然や農場があり、子どものころから乗っていたバイクや愛馬も登場している。
「いいところでしょう。ぜひ、実家の自然のなかで撮影したかったんだよ」
といって、1枚ずつ写真を説明してくれた。
このインタビューは、次号の「intoxicate」に掲載される予定である。
そして当日の公演評は、「モーストリー・クラシック」に書くことになっている。
今日の写真は、インタビュー後のワンショット。初めて会ったころは、まだやんちゃな若きチェリストというイメージだったのに、いまやすっかり貫禄がつき、後進の指導にも力を入れている。演奏もとても成熟した、感動的なものだった。
posted by 伊熊よし子 at 18:40
| 日々つづれ織り