2022年04月07日
小松亮太
先日、久しぶりにバンドネオン奏者の小松亮太に会うことができた。
以前から感じていることだが、彼はバンドネオンをより多くの人に知ってもらいたい、その音楽をもっと広めたいと、ひとりで戦っている。
今回は、5月26日にヤマハホールで行われる「アストラ・ピアソラ没後30th Anniversary」のことを聞くインタビューだったが、以前と変わらず「孤高の戦い」の姿勢を強く打ち出していた。
今回のコンサートは、チェロの古川展生との共演が予定され、両者の演奏によるプログラムは主としてピアソラの人気の高い作品が組まれている。
しかし、その他にもさまざまな選曲がなされており、ピアソラ以外の作品、ピアソラ以前、またピアソラと同時代の他の作曲家の作品も登場する。
話はここから戦いモードに入った。
というのは、小松亮太はタンゴの音楽を本当に愛しているからこそ、バンドネオンを演奏している。アルゼンチンにはいろんな作曲家がいて、そういう作品にも目を向けてほしいと熱く語る。
彼の話を聞いていると、タンゴの歴史、伝統、現在までの状況などにどんどん興味が湧いてくる。静かな口調ながら、その奥にはタンゴの真実を伝えたいという心意気が宿り、何時間あっても話は尽きないという感じだ。
その思いを「タンゴの真実」(旬報社)という430ページにもおよぶ書籍に綴っている。これを読むと、小松亮太のタンゴへの深い思いがビシビシと伝わってくる。
今回のインタビューは、次号の「ぶらあぼ」に掲載される予定である。
今日の写真は、インタビュー中のワンショット。長年弾き込んでいるバンドネオンと一緒に撮影させてもらった。
posted by 伊熊よし子 at 21:27
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