ブログ

ポテトパン

  京都の仕事部屋に行くと必ず寄るスーパー、八百一本館。ここは六角農場を目の前に見ながら食事ができるレストラン、セイボリーがとてもセンスよく、野菜がふんだんに使われたレシピがすばらしい。
  そのセイボリーで供されるパンが、美味なるポテトパン。これは1階のベーカリー、ザ・ブレッドで購入することができる。
  最初にセイボリーでこのパンをいただいたとき、すごくおいしくて「このパン、とてもおいしいですね」とお店の人にいったら、「あっ、そのパン、下のベーカリーで売っているんですよ」と教えてくれた。
  京都はパンの激戦区で、個性的でおいしいパンはたくさんあるが、それ以来、私はいつもポテトパンを買いに八百一本館にいっている。
  このパンは、すこし温めてざっくりと4等分すると、セイボリーの味になる。もちろん、おいしいエクストラヴァージンオリーブオイルを添えたい。
  今日の写真は大好きなポテトパン。パン好きな人は、京都にいったら、ぜひ!!

y4100_R.JPG

  
  
posted by 伊熊よし子 at 22:04 | ゆったりまったり京都ぐらし

辻井伸行

  昨日は、辻井伸行「プレミアム・リサイタル2021  ショパン:エチュード」の最終公演を聴きに、紀尾井ホールに出かけた。
  プログラムは「3つの新エチュード」からスタート。前半はエチュード作品10の12曲が演奏され、後半はエチュード作品25の12曲が演奏された。
  コロナ禍で、アーティストはコンサートがほとんどなくなり、ひたすら練習していると聞いているが、辻井伸行のこの日の演奏も、その練習量のすごさを物語っていた。
  ショパン・コンクール当時から演奏を聴き続けている私は、新エチュードの最初の曲を聴いた瞬間から、辻井さんの音楽が大きな変貌を遂げたことに驚きを隠せなかった。
  そのピアニズムは深遠さと思慮深さと内省的な情熱を放ち、練習量の多さがびしびしと伝わってきたからである。
  ピアニストは、どのジャンルの音楽家よりも練習量が多いといわれる。音符の数が多く、ほとんど暗譜で弾かなくてはならないからである。
  辻井さんのショパンのエチュードは、すさまじいまでの集中力と作品に対する熱き思いが凝縮したものだったが、けっして力んだり、気負ったりしていない。とても自然で、内面から湧き出てくるショパンへの愛にあふれていた。
  私はこのところ仕事の忙しさとストレスから体調があまりよくなく、体力が落ちていたのだが、辻井さんのエチュードを聴き、からだの奥から力が湧いてくるのを感じた。
「ああ、こんなにも練習を積み、すばらしい音楽を披露してくれる。私も頑張らなくちゃ」という気持ちにさせられた。
  すぐそばの席に辻井さんのお父さまがすわっていらっしゃり、あいさつを交わした。お父さまは、いつも私のブログを読んでくださるそうだ。
  私が「辻井さん、最近の練習量はハンパではないでしょう」と話すと、「ええ、かなり時間をかけて、一生懸命練習しています。ウチではその勤勉さをたとえて、二宮金次郎の”金ちゃん”と呼んでいるんですよ」と話してくれた。
  これには大笑い。遊び心いっぱいの、プライヴェートな話を聞いてしまった。
  今度、辻井さんに会ったら、「金ちゃん」と呼んでみようかな(笑)。
  この公演評は、次号の「音楽の友」に書く予定になっている。書きたいことが山ほどある、実り多きリサイタルだった。
  
  
posted by 伊熊よし子 at 16:43 | マイ・フェイバリット・ピアニスト

舘野泉

  舘野泉は、毎年7月初旬から9月ころまでフィンランドの森と湖に囲まれた別荘で過ごす。
  そのため、6月末に急きょご自宅に伺い、インタビューを行った。
  4月には彼が愛してやまないフランスの作曲家、デオダ・ド・セヴラックのことを聞くためにインタビューしたばかりだが(日経新聞)、今回は10月22日に東京文化会館小ホールで開催されるピアノ・リサイタルについて話を聞いた。
  これは「彼のための音楽を彼が弾く」と題され、吉松隆、カレヴィ・アホ、林光、平野一郎の作品がプログラムに組まれている。
  すべて舘野泉の委嘱作品で、特に最後を飾る平野一郎の「鬼の生活〜左手のピアノで綴る野帳」が長大で演奏至難な作品となっている。
  その楽譜を見せていただいたが、「これを左手だけで演奏するの?」と、私は驚きを隠せなかった。
  音符はものすごく多く、難解で、すさまじい速さを要求されている箇所もあり、すべてが新曲ゆえ参考にするものもない。
「ものすごく難しいんですよ。平野さんが乗りに乗って急ピッチで仕上げてくれたんですが、演奏するのは大変です。これからフィンランドに戻って別荘にこもり、ひたすら練習します」
  舘野さんはこういいながらも、とても楽しそうだった。
  今回のプログラムはすべての作品が個性的で、全編に「静寂・えもいわれぬ静けさ」が宿っているという。
  このインタビューは「音楽の友」に書く予定になっている。
  今日の写真は、作品に関してひとつずつていねいに説明してくれる舘野さん。リサイタルが待ち遠しい。

y4024 (2)_R.JPG

  
posted by 伊熊よし子 at 22:46 | 情報・特急便
CATEGORIES
ARCHIVES
LINKS
PROFILE
検索ボックス